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「伯父様から電話来たって聞いたけど…一体何かな?」

「何でも、コマンダーのお見合い相手が見つかった、とおっしゃってましたよ」

「ぶっ?!…お、お見合いぃ!?」



降り注ぐ光に輝く金糸――印象的な光景が脳裏に焼き付いている。パンドラの箱はそっと開かれ コマンダーの黒剣は暗号の螺旋を細切れに断ち切った。


Code Spiral
 code.04 ダークファイバー


金色に輝く太陽、真夏よりは幾分か優しくなった光が人で賑わうオフィスへ降り注ぐ。コマンダーと呼ばれた女性は自分の警察手帳をスーツの内ポケットへ入れれば 電話の相手へ「掛け直す」と伝え、足早に部屋を出た。警察署の門のところで伯父専用の携帯を取り出す。


――プルルルッ…ガチャ…


『おお…カタリーナ、待ってたよ』

「…伯父様…警察署には電話しないでくださいとあれほど申し上げましたでしょう?」

『別に良いだろう。今はただの伯父として掛けてるんだから』

「…そう言う問題ではありません」


呑気な伯父にコマンダーもといカタリーナは呆れ返ってしまった。彼女はイタリア警察のエリートで皆を指揮する指揮官〈コマンダー〉の役割を受け持ち、そして彼女の伯父は ボンゴレ同盟ファミリーの中でも上から2番目ファミリーのボスだった。ゆえに警察に属しているカタリーナに取っては 容易に話に出して良い人間ではない。イタリア警察はマフィア達を目の敵にしているからだ。バレれば即クビ、それどころか逮捕されてしまう可能性さえある。


「…それで、お見合いがどうの、とお聞きしましたわ。どういうことなんですの?」

『お、そうだそうだ。お前に良い相手が見つかったんだよ!以前から話を持ち掛けてはいたんだが、条件付きでやっと承諾してくれてな』

「あら、伯父様がそんなにおっしゃるなんて珍しいですわね。それでお相手は…?」

『ああ、その相手って言うのは――』

「あ、いたいた!指揮官!あの暗号、解き終わったみたいですよー!」


あと少しと言うところで邪魔が入り 相手の名前は掻き消されてしまう。カタリーナを呼んだのは 窓から顔を覗かせている部下の一人、彼女は咄嗟に通話を切り 警察で使っている元気っ子キャラの笑顔を貼り付ければ それに合わせて口調も変えた。





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あきゅろす。
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