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『ロマーリオ…楽しそうなところ悪いんだが、何がそんなに楽しいんだ?』

「いや、わりぃなボス…ボスがそんなに惚れてるとは露知らず、深桜嬢を独り占めしちまって…」

『…は!!?な、ろ、お、おま…ななな何言って…!!』

「ははは!ボス動揺しすぎだぜ!」

『おめーなぁ…!からかうのも、ほ、程ほどにしろよな…!!』


受話器の向こうにいるのは 恐らく顔を真っ赤にしているディーノ。これは良い、とロマーリオは破顔し それから不意に真剣な顔つきに戻った。回線の向こうから伝わる雰囲気が少し変わったのに気が付き ディーノもまた口を閉ざす。


「ボス…もし深桜嬢が大事なら早く帰ってきてやれよ」

『ん?あ、ああ…』

「今日深桜嬢の落書きに『跳ね馬』と言う単語が出てきたんだ。恐らく今解いているあの暗号に……俺も目を光らせておくが、ボスも――」

『――分かった。マーモンのこともあるしな…今空港だから、明日にはきっと帰れるさ。それまで、そっちは頼んだぜ!』

「はは、任せろボス!」


最後は明るく電話を切る二人。大事な人間を手放しで預けられる程彼らの絆は強く ロマーリオの言葉のせいで何がしか不安が胸中を渦巻くも ディーノは全面の信頼を寄せていた。

ふと 深桜のことを思い出して顔が赤らむディーノ。たった一日離れてイタリアに来ていただけなのにもう早恋しいと感じるのは 長く山本家に居たせいか。明らかに自分を頼りにしていない深桜に思いを馳せつつ 一人でに溢れる"愛しい"という気持ちに笑みを漏らした。


一体"何が"愛しいのか――最も大事なことには気が付いていないディーノ。暗号が形作る螺旋、『コマンダー』の罠はすぐそこに迫っていた。






(あーボスってば青春してるぜ!)

(ろ、ロマーリオさん…まだ笑ってる…)

code.03了.
04に続く

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※『あれ』=『コマンダー』
ちなみにベル達がしてるカードゲームは大貧民or大富豪です。



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