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 彼女達の秘密は ボンゴレ内で極秘扱い――姉妹、9代目、家光しか知らない重大機密だった。なぜならイタリアを支配しようと目論むマフィア連中にとって 未来を知る人間は 甘い蜜の如く魅力的なもの。だから 争いの好まぬ9代目は彼女達が争いの火種となることを恐れ 極秘扱いにした。家光だけに 本当の事情を話して。

 しかし家光は 彼女達が『異世界から来たため未来を知っている』ということに関しては 半信半疑であった。"異世界"など、おとぎ話のような話をどうして信じられようか――そう思っていた。だが 風羽の断言する様を目の当たりにした今となっては 真実と思わざる得ないだろう。


「…バジル、お前がもし未来を知っていたとしたら どうする?」

「それは難しい質問です…」


うーん、と考え込むバジル。突拍子もない質問へ真剣に考えるところは 流石生真面目なバジルだ。


「じゃあ、質問を変えるか。未来を変えたいと思うか?」

「未来を変える…ですか?それは未来に寄るんではないでしょうか。幸福な未来ならば変えようとは思いませんが、悲しい未来なら変えたいです」


あくまでも拙者の意見ですが、と畏まるバジル。家光は頷き「そうだな」と相槌を打つ。と、会話はそこでぶつ切れになり 神妙な面持ちで家光は茶を飲み干した。


 美しい和菓子を見て 彼が思うことはただ一つ――願わくば彼女達の苦しみが癒されんことを。








(出来るのにしないのは、無力なことと同じなの)
第1章24番Why not join us?-3了.
25番に続く。



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あきゅろす。
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