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話せ、と訴える風羽を無視してツナは痛む頬を押さえつつ窓の外を見た。というのも、彼は先程割り込んで来た山本の行動がどうも不自然に思えて仕方無かったのだ。焦っているような、そんな感覚。オレこういうの敏感だっけ?なんて自問しながら 筋肉痛に痛む身体を動かせば 親友の変化に戸惑いを覚える。ふといつだったか教室で聞いた噂が頭に浮かび ああ、と納得して獄寺の隣りに腰掛けた。
「そっか…そういえば山本って花凛ちゃんが好きなんだもんなー」
「10代目、何か言いました?」
「あ…ううん、ただの独り言だから」
ただの噂だと思っていたが 改めて自分の目で彼らを見ると 本当なんだと確信せざる得ない。何故か高揚していた気分がしゅるしゅると萎み 無意識のうちに溜め息が出ていた。元気のないボスを獄寺が心配そうに眺め 理由を問うと曖昧な笑顔を返すツナ。遠くから救急箱を持って京子が帰ってくる足音が聞こえた。
ツナは何処か沈んだ表情で愛しい京子を見つめる――太陽のように眩くを照らしてくれる京子、星のように静かに煌めく花凛。自分が本当に惹かれているのは一体どちらなのかと心の奥へ押しやった思考で考える。
でもやっぱり自分が好きなのは京子ちゃん――彼女の軽く跳ねる色素の薄い髪を視界に捕らえながら 以前リボーンへ言った台詞をまるで自分へ言い聞かせるように呟いたのだった。
(そういえば、獄寺君の噂もあったなぁ)
第1章33番fight!box!spar!了
34番に続く
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花凛の話は、1章始めか0章何話目か……はい、どっかの詩と繋がってます。←アバウト
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