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 彼女を見た後 転入生に目を向ける。そうしたら図らずも銀髪の転入生と目が合ってしまい その当て付けなのか机を蹴られる。感じの悪い転入生にムカッとするもやっぱり言い返せなくて 悔しく思いながらクラス中の女子が黄色い声を上げているのを聞いていた。


 休み時間になると転入生に害された気分を一掃するためにフラフラと廊下を彷徨っていた。でもフラフラし過ぎて怖い3年生にぶつかってしまい オレはボコボコにされたら敵わないし 校舎の外まで命からがら逃げてこれば一息吐く。どうやら今日もツイてない。

 けれど世の中 悪いことは立て続けに起こるように組み立てられているらしい。オレが3年生から上手く逃げ切ったと思ったら 今度は転入生が姿を現したんだ。


「目に余る柔さだぜ」


 いつの間に。どうもオレは不良という類が苦手で 彼の目の前から早く姿を消したかった。そこでオレがそそくさとその場を去ろうとすると 思わぬ言葉が彼の口から出てきた。


「お前みたいなカスを10代目にしちまったらボンゴレファミリーも終わりだな」

「え!?なんでファミリーのことを…?」


 オレを睨みながら「10代目に相応しいのはこの俺だ!」なんて言ってるこの人、もしかしてマフィア関係の人なんだろうか。でもそう言われてみれば 確かに彼は俺が想像していた怖いマフィアの型にピッタリだ。

 そんなに10代目になりたいならどうぞなっちゃって!なんて思ってたら いつの間にか彼の手には爆弾が握られていて。「あ、オレ死んだ」と思う間もなくそれは彼の手を離れていた。


「うぎゃぁぁぁ!」


 オレは人間らしからぬ叫び声を上げて腰を抜かす。そりゃいきなりダイナマイト投げられたらビビるっつの!けれど爆発の衝撃が襲ってくる前に 何者かが放った銃弾によって俺は死なずに済んだ。


「やっほー、獄寺」

「ちゃおっス」

「リボーン!と、風羽!」


 先程の銃弾は風羽が放ったものらしく 彼女は銃を片手で構えていた。護衛って言うだけあって腕は確かなようだ。(何処でも打っ放すのは止めて欲しいけど)


「チッ…風羽、邪魔すんじゃねぇ」

「そーはいきませーん。私には私の任務があるんだもの」

「え…二人って知り合いなの…?」


 親しげに話す二人に首を傾げる。でもよくよく考えれば二人ともイタリアから来たマフィアなんだから 知り合いでもおかしくないかも、とオレは一人納得。だけど話の雲行きはどんどん怪しくなっていって、終いにはオレを殺すとまで彼は言い出している。


「オレを殺るって…何言ってんだよ、冗談だろ?」

「本気だぞ」

「なんだよ…二人とも今までのは嘘だったのかよ!!?」

「嘘と思うのはツナの勝手だけど、リボーンにはリボーンの意図があるのよ」

「意図?まさかオレを裏切るって意図か!!?」

「違うぞ。戦えって言ってんだ」


 ジャキ。銃口がオレの目の前に現れる。でも一般人より劣るオレがマフィアと戦うなんて正気の沙汰じゃない。しかも戦うなら護衛の風羽がやれば良いじゃないか。オレは彼女に助けて貰おうとそちらへ身体を向けるが そこにはオレに銃の標準を定めた風羽がいて


「ツナ、自分の力で戦うのよ」


と、オレ目掛けて銃弾を一発放った。




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