言葉にしたらおしまい
「好き」
たった2文字なのに、それを伝えられない。
いや、伝えちゃいけない。
だって俺たちは男同士。
陽介は、まだ小西先輩を引きずっている。
そして、…何より俺はあともう少しでこの町から出て行かなければならない。
ならこの気持ちを伝えるなんて、意味がないし、言ってしまったら最後、陽介との今までの関係が全部壊れてしまう。
それだけは絶対嫌だ。
なら、このまま親友のままでいた方が、ずっと良い。
陽介に嫌われたら、きっと、俺の心が壊れてしまうから。
あぁどうして俺は男なんだろう。
どうして陽介も男なんだろう。
どちらかが女であれば良かったのに。
そしたら、普通に、これからもずっと一緒にいられたのに。
好きだよ、陽介。
この気持ちは伝えられないけど、それでもずっと俺はお前のことが好きだよ。
END
タイトル→「d.side」様より。(PCサイト)
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