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3メートル先の、その思い



「オレ、三橋のことが好きなんだ。」



一年の始めに言われた“好き”と違う意味だってすぐわかった。
気持ち悪いとも嬉しいとも思わなかった。







ただ、オレは、呆れただけだった。







なんで、君の背中からいつも3メートル離れた視線に気付かないの?





オレは篠岡さんを好きになった。
いつからとか、わからないけど自分の気持ちに気付いたのは最近だった。
それと同時に、篠岡さんが阿部君を好きなんだって事も何となくわかった。
だって、オレが篠岡さんを見つめるのと同じくらい、篠岡さんも阿部君を見つめている。




だから、




「オレ、好きなヒト、いるカラ。」



阿部君と付き合えないって言外に伝えると、阿部君は知ってるって言った。



「三橋のこと、ずっと見てたから。」



知ってるよ。
お前がいつも誰を見つめてるのか、ずっと知ってる。
オレだって、ずっとお前を見てたんだから。
ずっとずっと、好きだったから。



そう阿部君は言った。



きっと阿部君は気付いてないのだろう。
篠岡さんが、自分のことを好きなこと。
だからこんな残酷なことを言うんだ。
誰も叶わない思いを抱き続けていることなんて。




諦めるなんて選択肢、


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あきゅろす。
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