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鬼畜阿部2

・鬼畜阿部の続きです
・阿部→三橋→篠岡→阿部です
・題名は不穏ですがR18でもなんでもありません


***




三橋は、知らなかっただけだ。
阿部がどんなに自分を好きなのか、知らなかっただけ。
だから、振ったらすぐに諦めてくれる…三橋なんかなんで好きだったんだろう、と目を覚ましてくれると思っていた。



「…ホントに、スル、の…?」



「ンだよ、止める?」



「ち、ちがっ、」



「まぁそしたらオレは篠岡と別れるだけだし。」



「っ、!」



三橋の部屋。
三橋のベッドの上。
親はいない。
時刻は夕暮れ時。
二人を、影が包もうとしていた。



「三橋はさぁ、篠岡の為にこんなコトまで出来るんだな。」



阿部は四つん這いになって、三橋に覆い被さる。
部屋は薄暗くて、阿部の表情はわからない。
けど、口元が歪んだ気配がした。



「そんな好きなんだ?」



チュッと軽く口づけて、深く入りこんでいく。
抵抗することも出来ない三橋はただ眉を寄せるだけだった。
それに気を良くした阿部は、三橋の服の中に指を滑らしていった。
震える三橋に、愛しさを覚えながら。



「……みはし…」



「あべ、く、」



三橋は知らなかった。
阿部が諦めるなんてしていなかったことに。
自分を好きになってくれないなら、三橋の片思いを邪魔してやろうと思っていることに。
だから、利用した。
篠岡の気持ちも、三橋の恋心も。
阿部が失恋したんだから、三橋にも失恋させたのだ。
この手で。



「…阿部、くん…?」



「あ?」



三橋は手を伸ばす。
キスしている間も、ベッドに放られていた手を阿部の顔に添える。
不安そうな声で、口調で。



「なんで、泣いて、る?」



「っあ、」



気付かれないと思っていた。
こんなに暗いから、絶対に。
それでも三橋はわかってしまった。
阿部が、涙を流していることに。



「オ、オレ。
阿部く、が、泣くのも、イヤ、だよ。」



そう呟いて、二人で抱き締めあいながら、泣いた。













「ごめん」と言いながら。











***

結局三橋は阿部のが大事だよって話です。
その後は、三橋は阿部が心配で寄り添っていくうちに離れられない関係になってきます。
そんな二人のお話。
badendではないつもりです。


[*返球]
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あきゅろす。
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