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A FOOLISH LIE 8



「…どーゆーこと?
オレが好きって言ったの、忘れたわけじゃないよな?」



「オレ、阿部く、に好きって言って、もらえて嬉しかった、よ!
でも、彼女サンと間違えたからって、別に、責任とって欲しいわけじゃ、ナイ。」



三橋は一回大きく深呼吸した。
ぎゅう、と強く拳を握って、下を向きながら涙を零してる。



「オレ、阿部君、好きだ。」



「は?」



「でも、阿部君はそうじゃないから、ツラい。
それで付き合ったって、オレはイヤだ!」



…えーと三橋の話をまとめてみよう。
・オレは告白した。
・オレが三橋を好きじゃないと思ってる
・でも告白した。
・その告白は罪悪感からだと思ってる。
・三橋もオレを好きだと言ってくれた。
・でも罪悪感で告白したオレとは付き合いたくない。



………なんの罪悪感だ?



「三橋、あのさ…、罪悪感とか責任とかさっきから言ってるけど、なんのこと?」



「…だからっ
彼女、サンと、間違えちゃったん、でしょ?」



「何を?」



三橋は涙を流しながら、でも真っ赤に火照りながら「……抱いたコト…」と言った。



「はああああああ!!?」



三橋はビクッとうろたえた。
いきなり大声出しちまったもんだから、さらに目に涙を浮かべた。



「なにそれ、ちげーよ!」



「ちが…?なにが…?」



「…っ、お前だからだよ!!」



「へぇ…?」



「お前だから抱いたんだよ…っ
確かにあン時酔ってたけど、それでもお前だと思ったからだよ。」



ヘナヘナと力が抜ける。
勘弁してくれよ。
そんな根本的なトコから勘違いしてたのか。



「…でも、彼女サンが…」



(まだ食い下がるのか、コイツ。)



「別れた。
まぁお前じゃねーと誰でも一緒だし、言っちゃなんだけどお前忘れる為に付き合ってたモンだしな。」



「忘れ…?」



「サヨナラの準備をしてたってコト。」



そう言いながら、三橋の額にキスを落とした。
バンソーコーが貼ってあってちょっとマヌケだ。
そんで、涙溜めてる瞼と、まだ状況がわかってなくて半開きな唇にも。



「好きだよ、三橋。」



「へ…?オレも、好きだよ…」



またキスをした。




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