A FOOLISH LIE 7
夕方に目が覚めた。
昼に帰ってきて、そのまま寝てしまったみたいだ。
お腹がぐるる、と鳴って朝も昼も食べてなかったんだと思い出す。
(作ンのもメンドクセーし、どっか食べに行くか…)
ケータイを手に持って、玄関のドアを開ける。
ゴン!
ドアに何か当たったみたいだった。
なんだろうと思って、キョロキョロと見回すと足元にうずくまる三橋がいた。
「…ぇ、三橋!!?」
「いてて…あべ、く…」
「オイ、どこぶつけたんだよ!?」
グイッと腕を掴んで部屋の中に連れ込む。
三橋はよろけながら靴を脱いで入ってきた。
ベッドに三橋を座らせて、急いで救急箱を用意した。
「お、デコ、ちょ、ちょっとぶつけただけ、だよ…」
「いーから!」
顔を近づけて額をよく見ながら手当てしてやると、消毒液が染みるのか、三橋は涙目になりながらキュッと目を瞑って我慢していた。
「終わったぜ。」
「あ、ありがとぉ…」
「んで、なにしに来たんだ?」
ビシッと三橋は固まった。
顔を見たくないと言ってたくせに、とそう言外に含ませて。
投げやりになんのは勘弁してほしい。
さっきあんだけ拒絶された後なんだから。
「あ、謝りに、きたんだ。」
「謝りにぃ?何を?」
「さっき、追い出しちゃって…」
「ああ…それは別に…
てかさ、お前、それよか他に言うことあんじゃねーの?」
「ふへ?」
三橋はわからないようで、首を傾げた。
オレはその様子にイラついてついトゲついた声になってしまった。
「だから、お前ホントは彼女なんかいねーだろ!
あのマンションの女、親戚なんじゃねぇか!!」
「え、阿部く、なんで知っ…っ、あ!!」
三橋は慌てて口を閉じた。
でももう遅い。
ウソだってことはもうバレてんだから。
「…なんでウソなんかついた?
そんなにオレがイヤだったのかよ。」
「ち、ちがっ!!
だって、阿部くんは、オレを彼女サンと間違えたん、だろ。
阿部くんは、責任とか、思わなくて、いーんだ。」
「はぁ?
意味ワカンネーんだけど。
オレ、お前に好きって言ったよな?」
「言った…けど、アレは罪悪感、とか、だろ?」
混乱してきた。
オレ、三橋にちゃんと告白したよな?
三橋はオレが責任とか罪悪感とか何言ってんだ?
[*返球][送球#]
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