A FOOLISH LIE 2
こないだ飲み会があって、三橋ン家泊まって以来、変な夢を見るようになった。
三橋を犯す夢。
何度も、何度も。
いや、それは普通なんだ。
そんな夢高校の時から何十回と見ている。
高校の時から…三橋が好きだから。
でも、この頃は見なくなってた。
三橋を忘れようと、女とつき合ったりしてたし。
だから久々で驚いた。
だって―――そのあまりのリアルさに。
潤んだ瞳。
しなやかな肌。
夢はあまりにもリアル過ぎて、現実で起こったことのように錯覚してしまう。
『阿部く、とりあえず、横になってて。
オレ、シャワー浴びてくる、カラ。』
『ん…』
三橋の体温が離れるのが嫌で、ベッドに引きずり込んだ。
三橋はベッドから抜け出ようとするので逃げられてたまるかと、力加減もせずに無理矢理押さえ込む。
『阿部く、やめ…っ!!』
『……』
その肌触りに感動した。
いつもの夢と違って、今日の夢は三橋の肌も、顔も、息遣いも全て現実的で。
いつの間に寝ちまったんだろうってくらいだった。
『…っ、あっ…あっ、』
三橋のことが大事で、近くにいるからこそ傷つけたくなくて。
だからこそ、夢ならいいやって思った。
現実の三橋を大切にしてる分、夢の三橋にオレの醜さを放つように腰振った。
三橋の右肩に、キスマークを残すなんてガキのようなマネして。
狂ったように、理性も何もかも考えずに、猿みてーに。
三橋の怯える顔に、コーフンしてた。
「…おはよ、ワリ、
何でオレ三橋ン家泊まったんだっけ?」
朝起きたら、キッチンに三橋が立ってるのを見て驚愕した。
なんでオレが三橋ン家に?
「もー、忘れちゃった、の?
昨日の飲み会で、阿部君、酔っぱらって、帰れないほどだったカラ、だよ!」
「あー…そうだっけ。」
サラリとしたシーツ。
ちゃんと服も着てるし。
三橋の様子もいつも通り。
(あの夢は現実だったのかとか思っちった。)
コーヒーでも入れようかと起き上がった。
三橋は笑ってる。
それでも、一瞬ビクリと肩が揺れたのが視界の端で見えた。
[*返球][送球#]
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