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【失った欠片と幸せな日々】

ある日
僕の半身がなくなった

僕は必死になって
パーツを探した

粉々になった肉片を
かき集めて
少しずつ元通りに
修復していった

だけど
肝心な部分が見つからない

地面に這いつくばって
目を凝らしてみたけれど
ソレは始めからなかったように
跡形もなく消えてしまった

視界の隅には
灰になったキミ


(ああ、そうだった)

(ソレはキミにあげたんだ)
(キミは美味しそうにソレを食べて)

(僕の味がすると笑っていた)


あの日
キミは冷たくなった

僕はキミを暖めようと
キミの身体に火を放った

キミは灰になった
僕の一部分と共に

その日
僕の身体に穴が出来た

変わり果てたキミを食べても
僕の身体は元に戻らない

キミにソレをあげて
キミはソレを食べて
キミはソレと一緒に
燃えてなくなったから

とても大事な部分だったけど
後悔はしていない

あの時
キミが喜んでいたから

だけど僕の身体は
時々酷く淋しいと泣く





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