[スレ綱初]継ぐ者と創る者
「あんたさえ居なけりゃさ、俺はこんな面倒なことになんなかったんだよ」
思っていたよりも細い手首を、血が止まるくらいの力で握り締めて壁に叩きつける。
目の前のムカつく程自分によく似た男は、一瞬顔を顰めたが、すぐに例の海よりも深い諦観を抱えた表情に戻った。
「…解っている」
ぽつりと一言だけ漏らすと、また柔らかくしかし断固として口を引き結んで俯いた。
それがまた、俺の神経を逆撫でる。
「…ふざけないでね?初代ボンゴレ様。 あの時言った台詞、嘘じゃないから」
ボンゴレをぶっ壊す、っての。
辛くて言ったわけじゃないよ。
言葉そのまま額面通りさ。
「あんたが培ってきたものだけじゃない、
守ろうとしたものも、 …あんた自身も。
俺は全部ぜんぶブッ壊すよ」
…壁に背を凭れかける様に座り込んでいるそいつにあんまり反応がないものだから、腹に蹴りを入れてやろうかと思って顔を覗き込んだ。
額に炎が灯っている時は気付かなかったが、瞳が蒼い所為で余計に憂えて見える。
「旧時代の遺物の話だけをしてるわけでもないよ。『これから』だって、俺はいくらでも傷つけて滅茶苦茶にしていくだろうね。 …あのヒトたちだって、どうだかわかんないよ」
俺が『仲間』を傷付けることを示唆すると、ぴくんとそいつが身体を強張らせた。
「ねえ、あんたはどうする?」
ぐっと握り締めたままの手を捻り上げる。
金髪が揺れ、ゆっくりと蒼い瞳がこちらに向いた。
人形みたいに真っ白い唇が、小さくゆっくりと動く。
「何も… おまえが無事で生きているならそれでいい」
今度は、奴は俯かなかった。
…それはそれで、なんだか腹が立った。
「…ふーん、あっそ」
投げ棄てるように強く、握っていた手首を放る。
…こっちの手が白くなってるし。
「何を考えてるのか知らないけどさ、しっかり覚えといて。 俺はあんたのこと、」
大嫌いだから。
そう言いたかった。
だけど、
あの瞳が、
「…憎んでる、から」
吐き捨てて、部屋から出て乱暴に扉を閉めた。
「……ボンゴレ、プリーモ、か」
だめだ、
あの瞳が、離れない。
「…名前、調べさせとこ」
絆されるつもりはないけどさ。
ただ、あんたがちょっと面白そうだから。
…それだけだよ、俺のそっくりさん。
―――――
どうせスレなんだから思い切って口調変えちゃえと思ったらとんでもないことになりました
一応ツナです、よ…
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