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kるっておちたのはどっちですk(円風)
【真夜中の教室 / 笑い合う / 「温度」】






 遠慮がちな、探るような足音に、机の上に腰掛けていた少年が面を上げた。肩の上で青い髪が揺れる。

「やっと来たか、円堂」

 一拍置いて、確かな意思を伴ったように足音が速まる。そして教室の扉の前ではたと止んだ。

「……風丸」
「お前なら来ると思ってた」
「風丸」
「俺たちと一緒にやろうぜ、もう怖いものなんてない」
「風丸」
 暗闇の中、ゆっくりと扉が開けられた。
「俺は、お前たちの仲間になりにきたわけじゃない」

 少年はわずかに目を見開いた。声音からして怒っているのかと思われた幼馴染が、無表情を顔に貼り付けていたからだ。
 バンダナをしていない幼馴染が、髪を結っていない少年に歩み寄る。

「風丸、お前を迎えに来たんだ」

 幼馴染が少年の手を取る。同い年で幼馴染で、陸上部とゴールキーパー。同じくらいの温度で、大きさの違う手だった。
「ほら、そんなもん捨てようぜ。そんでさ、俺と来いよ」
 少年は違和感を覚えた。円堂守は、なんの表情も浮かべずにそんなことをのたまう人間ではなかった。
「……円堂だよな?」
幼馴染は少し笑った。
「それっぽっちじゃ、なんにも壊せないだろ」
 幼馴染は少年が首に下げた石を手に取ると、紐がひっかからないよう丁寧に頭を髪をくぐらせて床に放った。キィン、と無機質な音が反響した。
「だからさ、俺と来いよ、風丸。俺、お前に来てほしいんだ」
 迷いなくすいと伸ばされた手を、少年はどこか意識の浮遊感を覚えながら握り締めた。

「じゃあ、これで俺たち共犯だな?」

 少年が幸せそうに微笑むと、幼馴染も嬉しそうに笑った。それこそ、二人だけで十分だった。















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