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臨正[暗/パロ]

(※ヤンデレ家庭教師臨也×臨也信者中三正臣/沙樹と正臣は臨也の教え子友達同士)






「……んー……よし、臨也さん、できました」
「はい、見せて」

 正臣が緊張した面持ちで差し出したプリントに、臨也が丁寧に赤ペンを入れていく。そのほとんどがマルをつけられていた。

「……うん、いいんじゃない? 一回聞いたら八割は覚えちゃうんだね、正臣君。飲み込み早くてびっくりしたよ」
「ほんとですか!?」

 臨也はぱあっと笑った正臣の頭を優しく撫でた。正臣は嬉しそうに目を細めたが、すぐにほんの少し不安そうな表情になる。

「あの……ほんとに大丈夫ですか? お世辞とかじゃなく、ちゃんとできてます?」

 軽く目を見開くと、臨也は心外だと言いたげに苦笑した。

「大丈夫、できてるよ。正臣君は賢いから、自信持っていい。ま、俺ほどじゃないけどね?」
「あははっ、臨也さんてばまたそういうこと言う」

 返されたプリントを見直してクリアファイルにしまいこみ、正臣は机の上に散乱していたペン類を片付け始めた。時折、臨也の方を見る目は、どこまでも透明な純粋さを湛えていた。

「俺、けっこう頑張っちゃったりなんかしちゃってるんですよ? 臨也さん来ない日だって、問題集やった後、沙樹と問題出し合ったりなんかして」
「ああ、沙樹ちゃんも頭いいからねぇ」
「昨日、二人で話したんですよ。絶対に来良学園受かろうって」
「えぇ? そんな決意しなくたって、君たちなら来良くらい余裕だって」
「……偏差値的には合格ラインかもしれませんけど、でも、油断したくないんで」

 整理を終えた正臣は、隣の椅子に座る臨也に向き直り、まっすぐな視線を向ける。

「だって、臨也さんの母校ですから。俺、絶対にあそこ入りたいんです」

 臨也は綺麗に微笑むと手を広げ、おいで、と優しく優しく言った。正臣ははにかんで、素直に臨也の膝の上に腰を下ろす。後ろから閉じ込めるように抱きしめられると、くすぐったそうに少し身じろぎをした。

「……そういう可愛いこと言っちゃって……」
「か、可愛いってなんすか! 臨也さんがいい学校だって言うから……」
「うん、それは嘘じゃないよ。ひたむきな正臣君が可愛いなあ、って思っただけ」

 正臣がなんだか難しい顔をしているらしいのがわかり、臨也は労わるように、染められた髪を梳いた。

「……なにが可愛いんですか、なにが。俺、男ですよ」
「そういうこと言っちゃうあたりがまた可愛いんだよね」
「……臨也さん!」
「じゃあ勉強も頑張ったことだし、いいこと、する?」

 意味ありげにそろりと手を動かすと、正臣の身体がびくりと反応した。

「え、あ……? い、ざや、さん」

 その声に明らかな期待の色が含まれているのを見て取ると、臨也は正臣のパーカーの中にそっと手を差し込んだ。

「ん、っ、ぁ……の、あの、」
「あんまり騒ぐと親御さん来ちゃうよ? ……とりあえず、一回抜いてあげる。ベッドはそれからね」
「………………は、い」

 完全に力を抜いて身体を預けた正臣に、臨也は絡めるように抱き込んだ腕の力を強め、見えない角度のまま微笑んだ。
 およそこの雰囲気にそぐわない、ひどく歪んだ微笑だった。



(教育と調教って、結局同じだよね)


100518














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