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古キョン:前編[死話/閉鎖空間]

何回目かの灰色空間、
色が着いて見えたのは、

あいつの赤と
俺の赤だけだった。


「……くん、キョンくんっ!!」

古泉の声が聞こえる。
…記憶が確かなら、俺とこいつはここに来たばかりだった。
そうだ、こいつが赤色になろうとしていたところ、そこまでは見た。

「なんでこんな…キョンくん、キョンくん!」

…その後確か…
急に神人が、ピンポイントでこっちを狙って攻撃してきた…気がする。

古泉が危ないって、思ったんだ。そうだ、そこまでは覚えてる。

「ねぇ…ねぇキョンくんってば、返事してくださいよ、キョンくんっ…!」

そんな無理言うな。
口を開けても、もう声じゃない、赤いかたまりしか出てこねぇんだからよ。

あぁでもそれだけ大声出せてるんだから、おまえは無事なんだろ?
なら、よかった。


「キョン…く……」

…なにおまえ、そんな涙声なんだよ…泣いてんのか?
あぁ…だめだ、目は開けてるんだけどな…
もう、かすんで、おまえの顔も見えねぇ。

「………キョ…ン…くん……ごめっ…ごめん、なさ…」

なんで、あやまんだ、ばか。
おまえは、悪く…ないだろ。

「僕が……僕の、せいでっ…」

声は、どうやってもでなかったから、
俺はそっと、こいずみの、ほおにふれた。

あ…ごめん、おれの赤、ついちまったな…
おまえの赤のほうが、ずっときれいなのに。
ごめんな。

「…!キョン、く…」


いっしゅん、
はいいろと、
くらいあか、が、よこぎって、
でも、さいごにうつったのは、

きれいなこいつのあかだった。

あぁ、ほら、
もう、なくなってば…

………















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あきゅろす。
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