ハルヒ
おちた日
「古泉ぃ。」
「なんでしょう?」
「いつ俺のこと好きになったんだ?」
「え゙っ…何ですか急にっ?」
聞いてみたくなったんだ。仕方ないだろう?
「いいから言えって。」
古泉は少し黙った。
うん。嬉しいもんだよな。一生懸命考えてくれてるんだ。
俺はこいつのこう言うところを好きになったのかも知れない。
「…徐々に…ですかね…。」
…。
「なんか…こう、もっとこう…。」
違う回答がが欲しかったなあ…なんて思った俺はバチ当たりなのか。。
聞き方を変えてみるか。
「じゃあさ、聞き方を変えてみるが…。堕ちた…っていうのか?そういう出来事って無かったのかよ?」
「何て言いますか…。いまいちどういう質問なのか解らないです…。」
おまえ…その無駄に良い頭をちゃんと使いやがれ。
「あなたは、どうなんです?」
「はっ!?」
「僕のこと、いつ好きになったんです?」
「…おまえが先に答えてくれんなら、その後でなら言ってやる。」
「いえ、まず僕は何を答えたら良いのかよく解りませんので…。あなたが先にお手本…でもみせていただければ。」
「あ゙ーーーーー。解ったよ。先に言うから!」
うーん。照れるかもしれない。うん。
「いつだったかにさ、2人で電車乗っただろ?そんときさあ、おまえ俺のことほっといて寝ちまったんだぜ。おぼえてるか?」
「そ…そんなことありましたっけ?」
「ああ。まあ…俺は思った訳だよ、何で友達おいて寝たしっ?何俺の肩枕にしてるしっ?ってな。」
「いや…あの、その節はすみませんでした。」
「その節て、おまえ憶えてないだろうが。」
「うっ…」
「でな、俺は思ったわけだ。お返しに写真でも撮って、後で見せてジュースでも奢らせてやろうとな。」
「はあ…」
「で、覗き込んだのさ。おまえの顔を。」
「ええ…変な顔でもしてました?」
「いや…それがものっそい可愛いの!!まじだから!!」
「え゙」
「そんとき、俺は殺られた…って思ったぞ。」
「まじですか…。や…なんかすっごい嬉しいですね。」
「まあつまりあれだな。顔に惚れたわけだな。」
「なんか微妙に悲しい気もしてきましたよ…。」
「気のせいだ。」
「でも、そうですね…。僕も顔です。」
「いや…それは無いわ…。」
「いつだったですかね…。あなたと涼宮さんが中庭にいたんです。」
「ハルヒでてくるのかよ。」
「ええ。涼宮さんは寝転んでいまして、あなたが手を差し出すんです。ほら、起き上がれよ、って感じで。」
「…。」
「その時のあなたの笑顔が、とっても優しそうで、可愛くて、ああ、あなたはそんな顔もするんですね…って思いました。」
「…それで」
「その笑顔が僕の方へ向いてはくれないのか?って思いました。」
「…」
「凄く切なかったです。けれど、その時、……僕は今切ない気持ちになってるのだと気付いたとき、」
「…ああ。」
「惚れたなあ〜って思いましたよ。」
「…ふうん。」
なんだ?嬉しい…のに寂しいような。
俺は何て言えば良いんだろうか。
…。
「フフッ」
ふいに、古泉が笑った。
「なんだよっ」
古泉の笑いは止まらない。
「ねえ、さっきから僕たち、物凄く恥ずかしい話してましたよね。」
「なっ…」
「あははっ…僕たちはたからみればバカップルですよ?」
「っっ!!バカか!!つーか、誰にも聞かれてないから。」
ほんと、バカじゃねーのおまえ!!
「フフッ、すみません。なんだか嬉しくて。幸せだなあって。」
「う…」
なんだって言うんだ…笑えん。笑えんくらい恥ずかしい気持ちになるのは初めてだぞ…。
「だって今では、僕はいつだって、あなたから笑顔をもらえますしね。」
「…っ」
あー、あれだな。
俺が今こんなに恥ずかしい気持ちになるのは、おまえのことが好きだからなんだな。
「…そうだな。俺も、幸せだわ。」
「ええ。」
そう言って笑った古泉の顔に、俺はまた、ノックアウトされたのである。
fin
甘いのが書きたかったです。
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