短編小説 真夏のプールで1(晃輔×静歌、悠輔×?) ────それは真夏の暑い日のことだった。 「プール?」 「あぁ、スーパーの福引きで当てたからな。お前達で行ってこい」 「兄貴は行かないのか?」 「二人分だし、この前俺は行ってきたばかりだからお前に譲る。静歌と行ってこい」 「分かった、サンキュー!」 ────… 「しっかしまぁ……デカいなおい」 ────兄貴が偶然福引きで当てたプール招待券 それをもらってプールへと来てみたのだが 最近有名な、日本で一番大きなプールらしく。 広さはディズ○ーランドほどあるらしい。 俺はテキパキと水着に着替え、プールサイドで着替え中の静歌を待つ。 ────静歌と付き合いだしてから早数年 兄貴はすでに学生結婚しており、ちゃんと妻がいる 俺も親のいない生活に慣れるため、二人の家に住まわせてもらっている。 静歌とは多く会っていて、こちらの都合に全て合わせてスケジュールをくんでいるみたいだ。 「晃輔、お待たせ♪」 そんな所に我が姫君が 「あぁ、来たか静………」 「あ、あの……どうかな? 雅ちゃんとお買い物行ったときに一緒に買ったんだけど」 依然身につけていたものより、さらにラフになったその水着 まだ成長しているのか、胸元あたりにも目がいってしまう。 「すごく似合ってるよ。俺のために選んでくれたんだな」 そう言うと、静歌を抱き寄せる。 顔を赤らめながら、胸に顔を埋める静歌 ここ数年で静歌はぐっと女性らしく、綺麗になった。 体の成長もさながら、口調や立ち振る舞いも、年相応の落ち着き感やオーラが出るようになった。 実際、俺もさん付けされることも無くなり、俺と静歌の仲は高校時代よりも遥かに縮まった感じがする。 本人は雅ちゃんがアドバイスくれたおかげとか言ってたけど…… 女の子は分からんなぁ ………などと余韻に浸っているのだが 「このやろ〜……」 「俺達に喧嘩売ってんのかな……?」 「あいつは男の敵だ!」 「殺殺殺殺……SATSUGAIせよ!!」 冷やかしと、嫉妬と凄まじいくらいの殺意の目線が突き刺さる しかし静歌となら、歩いているだけでもそんな視線を浴びされるため、ある程度耐性はついたつもりだ。 が、最後の言葉はシャレにならないため、俺達はそそくさとその場を後にした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |