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短編小説
若干ツンのちデレ(一刀×愛紗)『真・恋姫†無双』



「疲れた……」



「ご主人様! まだ半分も終わっていないじゃないですか!?」



「うぅ……愛紗は厳しすぎるんだよ」



「そういう問題ではありません!」



 天の御遣い北郷一刀、時には蜀の国の指導者として、部隊を指揮することもある。


 しかしそんな彼でも、苦手なことは多い。


 特に今やっている政務だ。


 先ほどから何とか早めに片を付けようと、必死に書類に目を通しているのだが、書類は一向に減らない。


 一刀の身長以上に高く積み重なった書類が、とてつもない疲労を与えているのは事実なのだが……


 元々それは一刀が政務を怠ったせいで貯まったもの、自業自得なのだ。


 一方もう一人の指導者、劉備玄徳こと桃香も隣の部屋で書類を睨めっこしている。


 さぼり魔の二人が指導者、蜀の先が思いやられるが仕方ない。


 そんな感じで愛紗の説教が続いていたのだが、先ほどから扉の近くで静観していた趙雲こと、星が口を開いた。



「愛紗もその辺にしておいたらどうだ? 主も反省してるようだし、やることはやってる」



「し、しかしだな星! ご主人様にも天の御遣いとしての……」



「主、どうやら愛紗は、最近主が桃香殿とばかりおられるので、ヤキモチを妬いているようですぞ」



 意地悪な笑みを浮かべて、愛紗をからかい始める星。


 それと同時に愛紗は顔を赤くする。



「なっ!? 星!!?」



「ん、そうなのか愛紗?」



「違います!! ご主人様も早く書類に目を通してください!」



「はいはい」



 ここぞとばかりに愛紗をからかう星。


 顔を真っ赤にしながら全力で否定する愛紗だが、どうやら満更でもない様子。


 そんな様子を見ながら、星はニタニタと笑っている。



「それでは私はこれで。主、愛紗を構ってあげなければダメですぞ!」


「せ、星〜!」


「はは、ではな愛紗。主と上手くやるのだぞ」



 波乱のフラグを立てた、愛紗はケラケラと笑いながら部屋を出て行った。


星が出て行くと愛紗はふぅと一息つき。



「全く、星は何を考えているのか……」


「愛紗、寂しいのか?」


「ち、違います! あ、そんな顔を近付けられて……ひゃっ!?」


「本当に寂しくないのか?」



 耳を舐められ、体がピクリと反応してしまう愛紗。


 ここまでされてしまっては、愛紗は強がることが出来ない。


 急に素直になり……



「寂しかったです……」


「素直じゃないな、愛紗も」


「うぅ……」



 若干ツンデレ要素がある愛紗


 一刀を注意する先ほどの威勢はどこへやら


 一刀のたった一つの行動で、恋する乙女へと変わった。



「ご主人様がいけないんです、最近桃香様とばかり……」


「悪かったな……愛紗が寂しがっていると知らず」


「い、いえ……」



 言葉がつまってしまい、会話が終わってしまう。


 星が作ってくれた雰囲気だというのに、なかなか素直になれない愛紗にとっては若干条件が厳しかったか……


 と思われたが。



「さて……早く書類整理終わらせないとな」


「あ、あの!」


「ん?」


「その……私も手伝います」


「マジで!! サンキュー愛紗!!!」



 らんらんるー♪ とばかりに万歳ポーズをする一刀。


 しかしその代わりに……



「そ、その代わりに……夜、期待しても良いですか?」



「……あぁ、もちろん」














 どうやら星の作戦は成功したらしい


その夜、一刀の部屋に艶やかな愛紗の声がこだましたというのは言うまでもない。

































「フフフ。主、次は私の番ですぞ♪」

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あきゅろす。
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