E 「うお、もうこんな時間かー」 はたと気が付くと、時計はもう6時を回っていた。外はもう薄暗くなって来ている。 「今日は楽しかったぜ奏汰!またやろうなー」 満足そうに笑う迅は、宿題のことなどすっかり忘れているようだ。俺も実際、この時にはまだ気付いていない。 「いやー迅君なかなか筋がいいよー!いつでもおいでね、相手になるから」 「マジっすかー?」 姉さんと迅は和気あいあいと話をしている。今日一日でかなり仲良くなったようだ。 ピンポーン そんな時、玄関のチャイムが鳴った。 「俺出て来る」 未だわいわいやっている2人を残し、俺は玄関に出てドアを開ける。 ……と、思わぬ珍客に目を丸くした。 「よっす」 「こんばんはー」 やって来たのは、羽岡と花宮先輩だった。大きなビニール袋片手に仲良く立っている。 「…何しに来たんだ?」 「ひっどー!今日は皆で花火しようって前から言ってたじゃーん」 あ、そういえば。迅のことですっかり忘れていた。 「何なにー?」 「あーそういえば今日だっけか花火!」 騒ぎを聞き付けた2人がリビングから出て来る。そっからはもうどんちゃん騒ぎ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |