B
「馬っ鹿だねー!そんなことでうだうだやってたのアンタらは」
話の大筋を聞いた姉さんは、呆れた風情で笑った。他人事だと思って、馬鹿にしやがって…。
「迅君、奏汰のことガンガン使ってやっていいからね!むしろ奏汰の宿題持ってっちゃえ」
「あ、マジすか?あざ〜っす」
「こら誰がいいなんて言った」
へらりと頭を下げる迅の後頭部をはたくと、すぱんと小気味の良い音がした。それでも奴はへらへらと姉さんに笑いかけている。
「ちゃんと自力でやんだからな。俺は教えるだけだぞ」
「分かってるって〜」
本当に分かっているのか疑わしい所ではあるが、ともかく勉強させるに越したことはない。
リビングに通し迅を席に座らせると俺も向かいに腰を下ろした。
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