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予想外の展開に俺は動転した。
数人掛かりで押さえつけられ、身動きが取れない。取り巻きの一人があんパンを拾い上げるのが視界に入る。
そこからは、あっという間。
無理矢理口をこじ開けられ、泥に塗れたあんパンが捩込まれる。土の臭いと苦みが咥内を満たし、じゃりっという砂の感触に悍気がした。口を塞がれ吐き出すことも叶わない。
そして、
ごくり
咀嚼音が、やけに耳に残った。
「げほっ…」
気持ち悪い。悍ましさからごほごほと咳込む。
「あれぇ?喉に詰まったかぁ?」
俺の視界に影が落ちる。見上げると岩崎は青いポリバケツを手にしていた。
もちろん押さえつけられた俺に逃げ場などはない。荒々しく開かされた口にバケツが押し当てられ、ザバっと勢いよく中身を注ぎ込まれる。
強烈なかび臭さがむわっと広がる。あまりの刺激に意識が遠退きそうになるのを堪え必死に意識を保とうとするが、臭気に気がおかしくなりそうだった。
入っていたのがただの水ではないことなど一目瞭然だった。
それからも岩崎らの暴行は続き、解放されたのは昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴ってからだった。
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