Gintama
夕焼け(幼少・高→桂)
「ほら、謝りにいくぞ。」
「・・・・・」
「ほら、」
ささいなことで、喧嘩した。
いつもなら、すぐにお互い謝るようなことだったが、なぜか意地を張ってしまい喧嘩別れになったのだ。
「いい加減にしろよ。ヅラ。」
「ヅラじゃないっ桂だっ」
桂は高杉に嗜められると頬を膨らまして、
ぷいと横をむいてしまった。
「銀時になんて謝るもんか・・・・アイツのことなどもう知らん!」
「じゃあなんでそんなに泣いてるんだよ。」
「高杉には関係ないっ」
目を赤くさせて涙を流す桂に高杉はため息をついた。
いつもなら他の誰かが喧嘩騒動を起こした時仲裁に入り、言われても無いのにお節介をやくのが桂なのだが、自分がさてその立場になるととたんに聞き分けが悪くなるのも不思議なものだ。
しかしさすがの意地っぱりもとうとう根負けしたらしく呼びかけられた何回か後には大人しく高杉の差し出した手を握って立ち上がった。
ぐすぐすと涙を拭いながら半ば高杉に引きずられる形で桂は歩いてる。
夕焼けが二人に小さな影を落として、秋風がくびまわりを掠める度、少し寒気を感じる。
早く帰らないと日が暮れる・・・・高杉はそう思って少し足を速めた。
「高杉、」
「あ?」
今まで大人しくついて来ていた桂が、急に声をかけるので、まさか今更謝りにいくのをやめるなどといいだすのではないかと思った。
桂はまだ涙を拭いながら言葉を繋いだ。
「もういい・・・ひとりでいく」
「うそつけ。そのまま帰るんだろ」
「ちゃんと行くもんっ」
離せ離せと言う桂の手を握る力を弱めずに高杉は進む。
「高杉の馬鹿ものっお前のことなんか嫌いだっ」
「はいはい」
立場が逆転したなと一人高杉はため息をついた。
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