密やかな眠りに夢をみて

 


そう、例えるなら君は僕にとっての暖かな暖炉であり、柔らかなソファであり、そして唯一の人。



そう、例えるなら貴方は私にとっての安らかなベッドであり、柔らかなクッションであり、そして唯一の人。







密やかな眠りに夢をみて







日差しが心地良い春の日。
僕は何をするでもなくお気に入りの木の上にお気に入りの本を持ち込んでお気に入りのクッションを携えてお気に入りの時間を過ごす。
そして、君が来るのを待つんだ。
時計を見れば2時55分。きっと、あと少し。
僕の最後のお気に入り。
君は知っているだろうか、僕が、君を特別に想っている事。



太陽の香りがくすぐったい春の日。
私は何をするでもなくお気に入りの木の下にお気に入りのアルバムを持ち込んでお気に入りの暖炉を離れお気に入りの時間を過ごす。
そして貴方に会うのを期待するんだ。
時計を見れば2時55分。きっと、貴方はいる。
私の最後のお気に入り。
貴方は知っているだろうか、私が、貴方を特別に想っている事。 






「やあ、your first name」
「こんにちは、リーマス」
そうして僕らは今日も出会う。
いつからだろう、ここが僕達のお気に入りの場所になって、お気に入りの時間を一緒に過ごすようになったのは。
ここ以外ではめったに会わないし、別に会おうともしない。
ジェームズ達に彼女のことを話しているわけでもないし、話すつもりもない。
僕だけの唯一の人だから。
僕だけのお気に入りの女の子だから。
「今日もアルバムを見るのかい?」
「ええ、私のお気に入りだから」
そう言って君は笑った。
その顔も、僕の好きな顔。
your first nameの仕草ひとつひとつが僕のお気に入り。
この春の日差しのように僕をくすぐる。
だから君がいるこの空間が僕のお気に入り。
「リーマスも、クッション」
「ふかふかで気持ちいいんだ」
君も僕がこのクッションをいつも持ってくることを知っている。
きっと僕達は僕達が考えている以上にお互いのことを知っていると思う。
そして僕達はきっとこの後昼寝をするんだ。
いつものこと。
どちらともなく寝息を立てて、先に起きた方がもう一人を起こして。
前はどっちも起きなくて真っ暗になったっけ。そんな時間が心地良いんだ。
特別な仲じゃないけど、お互い特別な存在で、特別な何でもない時間。
僕達の、お気に入り。





(いまはまだ、このままの距離で)





次に会う時には、僕がクッションをふたつもっていって君と並んで昼寝をしようか。





20080303_吾風



あきゅろす。
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