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石楠花物語小学校時代
千里の病気

同・休憩室
   千里、赤い顔をして更にぐたーっとしている。

千里「ううぅぅっ…」


車内
   千里、孝太、操が乗って、珠子の運転。千里は助手席でぐたーっとしている。

千里(温泉に入ったのに治ってない…頭痛いよ…気持ち悪いよ、ママ…)


   すずらんの里駅付近。

操「あ、おばさん!!僕らここでいいですよ。」
珠子「君達はこの近くの子?」 
孝太「いえ、富士見ですけど後は電車で帰るので…」
珠子「いいわよ、富士見まで送るわ。」

   車、富士見方面に上がる。


   富士見、それぞれの家で二人を降ろす。

珠子「それじゃあね、今日はありがとう…又遊んでね。」
操「おばさんありがとう、千里君もありがとう!!とっても楽しかったよ。」
孝太「又遊ぼうな!」 
千里「うん!」

   弱く笑う。車は戻る。


小口家
   小口吉三、珠子、小口が側にいる。千里、座布団の上にばたんと横になって目を閉じる。 

珠子「あらあらせんちゃん、どうしたの?」
千里「頭痛いよ…」
小口「そんなに具合が悪いのに何故温泉なんか入ったんだ?」

   珠子を見る。

小口「何故千里を入らせた?」
千里「ママを叱らないで…ママは悪くないの…。入りたくて入ったのは僕なの…」

   苦しそう

千里「あのね、途中で僕がおしっこ我慢出来なくなったちゃってね、ガソリンスタンドに寄ったんだ、その時に麻衣ちゃんも車に酔っちゃってね…」

   事細かく事を話し出す。

千里「だから僕、温泉に入れば治っちゃうかもと思って…。」
小口「バカだなぁ、そう言うときはお風呂には決して入ってはいけないんだよ。」

   額に手を当てる。

小口「お熱も大分上がって来ちゃったね…。」
珠子「せんちゃん、ご飯は食べれる?お水飲もうか?」
吉三「少し氷で脇や内股を冷やしてあげなさい。少し楽になるじゃろう。」
珠子「えぇ。」
 


   暫く後、珠子、ご飯の支度をしている。

千里「ううっ…」

   飛び起きる

小口「千里、どうした?」 
 
   珠子も来る。

珠子「せんちゃん、どうしたの?」
千里「パパ…ママ…僕、気持ち悪いよ…」

   直後、吐いてしまう。

珠子「せんちゃんっ!!」
小口「千里、大丈夫か?」

   千里、涙目で今にも泣きそう。  

千里「パパ…ママ…」

   二人、驚いてどたばた。珠子は周りを片付けだし、小口は千里の背を擦ったり、再び布団に寝かす。


茅野市・宮川商店街
   麻衣、田中磨子、岩波健司がアイスキャンディを嘗めながら歩いている。
 
麻衣「ん、このアイスキャンディうんまい!!なぁ健司、何処に売っとる?」
健司「ん、富士見商店街の駄菓子屋だよ。俺、あの店大好きだもんでさ。」
麻衣「へぇー、今度私も行ってみたい!!」
磨子「私も!!」
健司「うんっ!!みんなで一緒に行こうよ!!でも…」

   少しむくれる

健司「麻衣は…俺達よりかも結婚式で知り合ったやつの方が好きなのか?」
麻衣「はい?どいで?」
健司「ほいだって…」

   もじもじと拗ねる。

健司「俺も一緒に行きたかったんだもん…温泉…。」
磨子「いいじゃないの、又お母さんたちに頼んで連れていって貰いましょう。」

   拗ねて膨れている健司を笑いながら宥める。



小口家・庭先
   数日後。車に乗る小口、珠子、すっかり元気だがすっかり風邪気味の千里。

吉三「もう行くんだね、」
小口「あぁ、父さん。でも又冬休みになったら来るよ。」
吉三「そうか、又おいで。楽しみにしているよ。」

   千里を見る。 

吉三「千里の具合も治って良かった…、千里、」

   微笑む。

吉三「京都へ戻っても元気で頑張るんだよ。又いつでも…っつー訳にゃいかんな。だもんで又休みの時には遊びにおいで。」
千里「うん、ありがとうおじいちゃん!!きっと必ず又来るよ!!じゃあね、チャオッチャーオッ!!」
珠子「ではお父さん、数日間お世話になりました。」
吉三「えぇ、珠子さんもいつも悪いねぇ。頑張りすぎず、体にゃ呉々も気を付けて。」
小口「父さんもね。」

   車は出ていく。小口、いつまでも手を振り続けている。

小口家・千里の部屋
   京都。千里と小口千草。千草は少し不機嫌そう。
 
千里「オッパただいま。」
千草「お帰り…」
千里「どうしたの?」
千草「いいよな、お前は…遊びに連れて行ってもらえて…」
千里「オッパも来ればいいじゃん。」
千草「ママが僕に内緒で千里連れて出掛けちゃうもん。」
千里「じゃあさ、冬休みにもおじいちゃんとおじちゃんちに行くから、その時はオッパも行こうよ。」
千草「行ければな。」
千里「行けるよぉ!!」
千草「僕…いつまでここに入れるか分からない…冬休みまでいられるか…」

   千里の顔が曇る。

千里「どういう…事?」
千草「パパとママの話…この間、偶々聞こえたんだ…。」

   寂しそう

千草「僕の本当のパパとママが僕を探してる…。だから僕はもうすぐ、本当のパパとママの家に養子に出されるんだ…。」
千里「オッパのパパとママは僕のパパとママじゃない!!」
千草「いや千里違うんだ…僕は…僕は…このうちに一時的に貰われてきた子なんだ…。だから僕は…」
千里「嫌だ、オッパ、嫌だ!!」

   泣いて千草にすがり付く。


同・庭先
   数日後。千草の実母、実父が迎えに来て車に乗っていく。千里、泣いて追いかけるが珠子が千里を止める。珠子も泣いており、小口が二人を慰める。

千里「オッパぁーっ、行かないでよ!!嫌だよぉーっ!!」

 
宮川公園
   冬休み。千里が悲しげにブランコに乗っている。そこへ麻衣。

麻衣「あら?」

   近寄る。

麻衣「千里君じゃないの!!来てたんね。」

   微笑む。

千里「麻衣…ちゃん…」

   麻衣、隣のブランコに腰かける。

麻衣「何かあった?」
千里「え?」
麻衣「ほいだってあんた、とても悲しそう…」

   千里、うつ向く。

麻衣「どうしただ?話して。」
千里「オッパ…」
麻衣「え?」
千里「僕にはね…オッパ、お兄ちゃんがいたんだ…。」
麻衣「あら、お兄ちゃんが?何歳?」
千里「僕よりも四つ上の6年生だった…でも、そのオッパがこの間…この間…」

   泣き出す。

千里「別のお家に養子に行っちゃったの…」
麻衣「え?どいで又?」
千里「オッパ、僕の本当のオッパじゃないって…僕が生まれる前に養子縁組で貰われてきたんだって…。でも、そのパパとママの事情が変わって…」

   話している。麻衣、抱き締めて慰める。そこへ健司、磨子、小町、操、孝太、公子

健司「お?」

   千里をまじまじ

健司「お前誰?」
磨子「この子、幼稚園のチビじゃないの?急に卒園したらいなくなっちゃうんだもん…何処行ってたの?」
健司「幼稚園の?」
千里「君達は…?」
磨子「おいおい、忘れてたか?てか、何か喋り方…君変だに?」
磨子「今何処にいるの?」
千里「京都…」
磨子「ほぉ、京都!!」
麻衣「ほ。せんちゃん、今は京都の学校に通っているんですって。で?今度はいつまで、ここにおるだ?」
千里「10日…冬休みはずっと…。」
麻衣「ほう…」
孝太「やっぱりここにいたか、」
操「君、この冬休みも来たんだね。」
千里「うん!!」
操「温泉博覧会、まだやってるよ。」
孝太「そう。五日が最終日なんだ。」
小町「だからさ、最後にみんなで…行こ?」
公子「お友達の証、勿論千里君もね。」
健司「お前ら…知り合いか?」
麻衣「えぇ、遠い遠い親戚の子。」
千里「実は麻衣ちゃんともそういう関係になったんだ。」

   全員、目を丸くする。

健司「ほーいう関係って…どーゆー関係だ?」
磨子「君らって…まだ、8才だよね?」
孝太「まじ?」
千里「え?」
麻衣「違うに決まってるじゃあ!!千里君の言いたいのは、こいこん。」

   咳払い。

麻衣「つまり、今回結婚式に行ったのは、私の母の従姉さんで、」
千里「そのお相手が、僕のパパの従弟なんだよ。」
健司「ふーん…?なるほど、ほいこんか。」
磨子「で?私達も…いいかな?ほの、温泉博覧会…」
健司「あ、俺も!!俺も行きたい!」
孝太「勿論、」

   微笑む

孝太「僕たちみんな友達だ。みんなでやろうぜ。」
全員「おーっ!!」


バスの中
   一月十日。前景の子供たち。

麻衣「んで、結局…縄文か。」
健司「でもこれって、親同伴じゃなくていいのか?」
孝太「この博覧会期間は、諏訪六内の温泉施設なら子供だけのお出掛けが許可されているんだよ。小学生以上がね。」
磨子「そなんだ。」


縄文の湯・ロビー 
   前景の子供たち。

スタッフ「いらっしゃいませ。」

   子供たち、ビクリ。

スタッフ「申し訳ございません、驚かせてしまいましたね。博覧会の方ですよね。」
麻衣「はい…」
スタッフ「では…こちらへ…」

   子供たち、スタッフについていく。


同・浴室前
 
スタッフ「はい、こちらが女湯となっております。こちらが男湯となっております。そして…」

   別の入口を指す。

スタッフ「こちらは、企画限定風呂となっておりますのでご興味がおありでしたら是非ともお試しくださいませ。」

   一礼して戻っていく。

麻衣「だって…」
磨子「どーする?」
健司「とりあえず、折角なんだもん、面白そうじゃん…。」
孝太「行くか?」
操「うん、」
小町「特別風呂…。」

   全員、入っていく。千里、ビクビクしているがメンバーについていく。


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