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石楠花物語小学校時代
図書委員会の修学旅行
  『石楠花物語小6時代』

バスの中
   柳平麻衣と小口千里、最前列で隣同士。修学旅行。

麻衣「遂に私たち、六年生ね…せんちゃん…。」
千里「うん…」
麻衣「結局あんた、何よ、図書委員って…」
千里「だって…何で?いけない?」
麻衣「しかも同じ。何か私たちって気が合うな。」
千里「う、ん…」

   少し赤くなって麻衣を見る。

千里(君がいるから僕もここに立候補したんだよ…)
麻衣「ん?」
千里「いやっ、別に何も…」
麻衣「ほ?」

   ルンルンとして乗っている。

麻衣「私が書記で、せんちゃんが委員長か…何か…」

   にっこり

麻衣「一気に大人になった感じね。」


東京都内
   国会議事堂、何か鉄道の博物館の見学をしている。


遊園地
   河原輝先生、栗平先生、タワーコースターを指差す。

栗平先生「さぁっ、みんなに一人一回はあれに乗ってもらうぞ。いいなっ!!」

   全員、ふざけてキャーキャー。千里、さぁーっと青ざめる。


   順番で千里達の班が乗り込む。

千里「ひぃーっ!!!」

   死にそうな顔をしている。

麻衣「せんちゃん、大丈夫?」
千里「だ、大丈夫じゃ…な、な、ないっ…」

   上へ上っていく。

千里「く、く、く、く、…くるっ…」

   落ちる

麻衣「きゃぁーーーっ!!!」

   楽しんでいる。

千里「ぎゃぁーーーーーー!!!」

   失神する。

麻衣「せんちゃんっ?ちょっと、せんちゃん?」


   降りる。麻衣、千里を支えてあるく。

麻衣「ちょっとぉ、大丈夫?怖いんならどいで無理して乗るんよ…バカね。」
千里「ううっ…ごめんよ…。酔った…。」
麻衣「少し休みましょ、河原先生ぇ…」


   河原先生、麻衣、千里

河原先生「千里君、治った?大丈夫?」
千里「はい…もう大丈夫です、ありがとうございます…」
麻衣「二人で優しいの乗りましょうか?何か…」
千里「え?」

   ポッと赤くなる。

河原先生「それがいいわ。麻衣さんと二人で行ってきなさい。時間が勿体無いわ。」

   微笑む。

河原先生「いいわね、デート。」
麻衣「せんちゃん、行こっ。」

   千里の手を引いてかけていく。

   麻衣が頼りない千里をエスコートしている。


焼き肉屋さん
   生徒たちが夕食を食べている。

麻衣「んーっ、噛めないぃっ。このお肉固いぃ。」
千里「僕も固いぃ。」
横田知晃「何かお皿汚れてるし…」

   メンバー、ガックシと肩を落とす。五味田苗、矢ヶ崎恵美子が戻ってくる。

田苗「ねぇ、今女子トイレ行ってきたんだけどさぁ??」
恵美子「便座の蓋が上がってたんだけど?」

   女子たち、思いっきり吹き出す。

知晃「本当に?」
麻衣「オカマが入ったか?」

   小山タミ恵、薄笑いを浮かべて千里を見る。

タミ恵「あなただったりして?千里ちゃん、」
千里「僕はオカマじゃないし、女の子でもないっ!!」
タミ恵「あら?6年生にもなったらえらく強気に出るようになったわね。」

   食べ出す。

タミ恵「このお肉まずっ。」


ホテル・客室
   麻衣、知晃、田苗、恵美子、タミ恵の部屋。そこへ千里が遊びに来ている。

田苗「でもさ、明日がいよいよ野球観戦ね!!とっても楽しみぃっ!!」
恵美子「私もぉ!!この為だけに修学旅行に来た感じ!!」
知晃「私も私も!!まいぴうとタミさんは?」
麻衣「勿論、私もだに!!ね、タミさん。」
タミ恵「私は別にどーだっていいわ。所で、」

   千里を見る。

タミ恵「どうしてこの坊やまでここにいるの?」
千里「ちょっと遊びに来ているんだよ。いけない?」


   花合わせをしている。

千里「うおっ…こんなに余ってしまった…明日はきっといいことないかなぁ…嫌だなぁ。」
麻衣「せんちゃん、本気で落ち込んどるの?ほんなのただの遊びよ。気にせん気にせん。」
千里「んーっ…」


同・レストラン
   バイキングをしているメンバー。千里も沢山持ってくる。

麻衣「お、千里君、初っぱなからほんねに持ってきて大丈夫だだ?」
千里「ん?大丈夫、大丈夫!僕ってちびだけど、こう見えてかなりご飯食べるんだ。いただきまぁーすっ!!」

   全員で食べ出す。


   暫くして、千里の箸がペースを落とす。

麻衣「ん、どーした千里君…」
千里「いや…」

   食べ続けている。

麻衣「顔色悪いに、大丈夫?」

   千里、お腹を押さえて苦しそう。

麻衣「どーった?具合悪い?」
千里「何か…お腹痛くって」
麻衣「待ってね、私、河原先生呼んでくる。」

   かけていく。

知晃「ご飯あと、もうちょっとなのに…食べれる?」
千里「食べたいけど…ううっ、もう無理かも…お腹痛いよ…」
掛川「なら僕が食べてもい…?」
千里「食べれるなら食べてよ…ううぅっ、」

   立ち上がる。そこへ河原先生。

河原先生「千里君、どうしたの?」
千里「先生っ…お腹痛いよ…トイレっ…」
河原先生「大丈夫?いいから、お行きなさい。しばらくみんなが食べ終わるまでお部屋で休んでいなさい…。」
千里「はい…ありがとうございます…」

   お腹を押さえて急ぎ足でレストランを出ていく。


同・客室
   千里、ベッドに座って苦しそうにお腹をおさえ、定期的にトイレに駆け込む。

   しばらくしてそこへ掛川

掛川「おい、千里君…いる?大丈夫か?」
千里の声「…トイレだよ…」
掛川「どうしたんだい?お腹痛いの?」
千里の声「お腹を壊したみたい…どうしたんだろ…」
掛川「昨日の焼き肉か?」
千里「あぁっ…」

   流して出てくる。

千里「はぁ…」

   げっそり

千里「お腹はとっても空いててご飯食べたいのになぁ…食べるとお腹、きゅっとなっちゃって…」
掛川「大丈夫?今日の活動できる?」
千里「あぁ…何とか…出たいよ。」
  


球場
   野球観戦をしている。女子たち、麻衣を入れて大盛り上がり。

麻衣「どう、せんちゃん?大丈夫、お腹治った?」
千里「うん、ありがとう。お陰様でもう今は大丈夫みたい。」

   微笑む。

千里「昨日から色々ごめんよ、ありがとう。」
麻衣「何の。良かった…。君が元気になったみたいで。ほら、一緒に野球見よう。」
千里「うんっ!!」

   麻衣、興奮して千里の体を叩いたり寄りかかったりしている。千里、少し緊張して赤くなる。


   そのあと、東京タワーを巡っている。千里、迷路や老人形に怯え、麻衣は笑いながら千里を庇う。


特急電車の中
   6年生メンバーが乗っている。麻衣、自動販売機で水を買っている。そこへ千里。千里もレモンティーを買う。

   二人、席に戻り、しばらくはわいわいと楽しんでいる。

   その内、麻衣はだんだんぐったりとして千里はトイレにばかり立っているがもじもじ。

知晃「まいぴう…どーした?」
麻衣「今は話しかけないで…酔った…吐きそう…うぅっ…」

   胸を擦る。

知晃「ちょっと大丈夫?河原先生、麻衣ちゃんが酔っちゃいました。」
麻衣「ごめん…」

   ビニール袋を取り出して吐く。知晃、麻衣の背を擦る。

麻衣「ありがとう…」

   千里をちらりと見る。

麻衣「せんちゃんは?どうしたの?大丈夫…?」
千里「トイレ…」
知晃「トイレなら誰も使ってないよ。行っておいでよ、場所わかるでしょ?使っていいんだに?」
千里「それは分かってる…さっきから何度も行ってるよ…」
知晃「だったら…」
千里「でも…、電車が揺れるからさ…。」

   泣き出しそう

千里「トイレ凄いしたいのに出てくれないんだよ!!」

   泣き出しそうにもじもじ

千里「もうもれちゃいそうなのに…」

   麻衣は吐き、千里はトイレ、電車の中はどんちゃん騒ぎで大混乱。


茅野駅
   麻衣、知晃と田苗に支えられて吐きそうになりながらもげっそりと降りてくる。千里はトイレに急いで駆け込む。


同・西口
   それぞれの親が迎えに来て流れ解散。

   河原先生、小口珠子と話をしている。千里は真っ赤になっている。

珠子「まぁ、そうでしたか…」
河原先生「えぇ、でも千里君ももう元気ですので安心してください。帰りの電車のトイレの事も色々と不安やストレスもあったかもしれないので、ゆっくりと休ませてあげてください。」
珠子「分かりましたわ、ありがとうございました。せんちゃん、ほら帰るわよ。もう大丈夫?」
千里「うん、」

   ペコリと頭を下げる。

千里「河原先生、色々とありがとうございました。お世話かけました。」
河原先生「いえいえ、ゆっくりと休んで疲れをとるのよ。又来週、元気に学校で会いましょう。」

   千里、車に乗り込み、駅を出ていく。


   柳平紅葉も迎えに来る。麻衣、柳平紡、柳平糸織。二人に体を支えられる麻衣。

麻衣「うぅっ、…」
紅葉「お帰り、まぁ!麻衣、どうしたの?」
麻衣「あぁ、母さん…ただいま…酔いました。」
紡「あぁ、麻衣のクラスの河原先生から聞いて知った。」
糸織「バカなんだぜこいつ、自分が酔い症だっつって分かっとるくせに酔止め薬飲むの忘れたどこか、持ってくの忘れたとか行ってさ。」
紡「電車の中で何回も吐いてたみたい。」
紅葉「まぁまぁ、苦しいのはあなたなんですから、ね。さぁ、とにかく早くお家へ帰りましょう。こんなときはとにかく早く横になって休んだ方がいいわ。」
麻衣「はいっ…」

   三つ子も車に乗り、紅葉の運転で駅を出ていく。 


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あきゅろす。
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