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石楠花物語小学校時代
結婚式での出会い
  『石楠花物語小2時代』

柳平家
   一家全員、正装をしている。

柳平麻衣「なぁ母さん、今日はみんなお洒落して何処いくだ?」
柳平紅葉「言ったでしょ?今日は母さんの従妹のよしきりおばさんの結婚式よ。」
柳平けいと「それでは紅葉、」
紅葉「えぇ、ではみんないい?行くわよ。」
子供たち「はーいっ!!」

   家を出て鍵をかう。

   9人、車に乗り込む

紅葉「それではあなた、お願いします。」
柳平「分かった。場所は?白樺高原で良かったよね。」
紅葉「えぇ。」

   車、走り出して庭を出ていく。


車内
   小口懐仁、小口珠子、小口千里。正装をしている。

小口「珠子、お前は千里と一緒に家にいて良かったんだぞ。」
珠子「いえ、そう言うわけにはいかないわ。春助さんがせっかく私までご招待くださったのだから、」
千里「ねぇ、これから何処いくの?」
珠子「パパの従弟の春助おじさんの結婚式よ。せんちゃん、ちゃんと言うこと聞いていい子にしているのよ。」
千里「はーい、ママ。」

   珠子はお腹が大きい。千里、退屈そうに後部座席に座っている。


白樺高原結婚式場
   多くの参列者がいる。そこに小口家と柳平家。

   軈て式が始まる。子供は柳平八重子、柳平正三、柳平紡、柳平麻衣、柳平糸織、柳平と子。柳平あすかはまだ乳飲み子、小口千里、藤岡小町、仲町操、小松孝太、小松公子。


   子供たち、段々動き出す。


同・ロビー
   前景の子供たち

麻衣「こんにちは、あなたたちも?おばさんの親戚?」
小町「おばさん?」
麻衣「えぇ、よしきりの克子おばさん。母さんの従姉妹なの。」
小町「へぇ…そうなの。」
麻衣「あなたは?」
小町「私はね、富士見の藤岡小町。」
操「僕は仲町操。」
孝太「小松孝太」
公子「小松公子」
四人「私達はこの高原の水族館に専属する水中バレエ団の研修生。」
麻衣「バレエ!私は、昨年ザンクトペテンブルクバレエ団の子供研修室と契約していた事があるわ。」
公子「なぬ?」

   ちょっと顔をしかめる。

公子「で?」 

   千里を見る

公子「あんたは?」
千里「僕は、春助おじさんが僕のパパの従弟なの。だから、呼ばれてきたんだ。」
麻衣「ふーん、」 

   千里を見る
 
麻衣「君って、幼稚園の時の子よね。なんだ、ほいじゃあ私達って遠い親戚だったんね。」

   手を差し出す。

麻衣「改めて、宜しく。」
千里「うん。君もバレエやるの?」
麻衣「君も…って?」
千里「実は僕も3才の頃からやってるんだよ。」
麻衣「ほー!!」

   何だかんだで打ち解けている。

孝太「で、今年は僕らの初公演もあるんだ。よかったら見に来な。」
公子「で、二人は地元の子?」
麻衣「えぇ、私は宮川。」
千里「僕は…京都と宮川。幼稚園まで宮川にいたけど、小学校からは京都に住んでるの。名前は千里。宜しくね。」
小町「僕?」

   キョトンと

小町「男の子?」
千里「男だよっ!!」

 
   軈て、結婚式も終わって出てくる人々。

麻衣「母さんっ!!」
紅葉「あぁ麻衣、こんなところにいたの?まぁまぁ沢山のお友達と一緒に。みんなおいでなさい。」
八重子「結婚風呂よ。」
麻衣「結婚風呂?」
紅葉「そうよ。花嫁さんもみんな一緒にお風呂に入りましょうね。」


同・水着の混浴風呂
   前景の子供たちと参列者全員。

珠子「せんちゃんはまだ小さいからママと一緒にお風呂に入ろうね。」
千里「うんっ、」
仲町「僕もお母さんと一緒。」
孝太「僕も僕も!みんなで一緒にはいれるね。」
小町「いやだぁ!!私、こうちゃんやみさちゃんと入りたくない!!」
公子「私もぉ!!」
珠子「いいじゃないの、子供なんだから、」
公子、小町「絶対にいやっ!!私達、こうちゃんやみさちゃんがお風呂出るまで絶対に嫌だから!!」

   千里ら大人しく入っている。


同・女湯
   子供たちと女性たちが入っている。千里、恥ずかしそうに海水パンツを脱ぐ。

珠子「せんちゃん、ほら、お尻も洗おうね。」
千里「ママぁ、そんなの一人で出来るもんっ。」
麻衣「あぁっ!!」

   クスクス

公子「千里君可愛っ!」
小町「本当に男の子なんだね。」
 
   千里、かぁーっとなって下を向く。

紅葉「こらこら、そんなに見るんじゃありません!千里君恥ずかしがってるでしょ。」

   珠子、千里の体を洗っている。


同・廊下
   全員、お風呂から上がっている。

麻衣「ふーっ、あっついあっつい。」
紡「なぁ、ご飯はぁ?」
糸織「僕お腹すいたぁ…」
紅葉「この後すぐにお食事にいきますよ。」
子供たち「やったぁ!!」
麻衣「なぁ、千里君にみんな!!一緒に食べような!!」
子供たち「おーっ!ー」

   子供たち、走っていく。

珠子「こらこら、あんまり走っちゃ行けませんよ。」
紅葉「なんかすっかり仲良くなって…子供は早いわね、仲良くなるの。」
珠子「そうですわね。」

   ゆっくりと歩いている。


同・レストラン
   バイキング形式。子供たちは固まってお喋りをしながら夕食をしている。

孝太「なぁなぁみんな、」
麻衣「ん?」
孝太「友達になったからさ、後で僕らの部屋においでよ。」
公子「私達のお母さん、夜は遅くまでエクササイズ行ってて帰ってこないから。」
麻衣「わぁ、行きたい!!」
孝太「そこで、いい話してやるよ。」
千里「いい…話?」
公子「孝太、まさか…」
孝太「そう、そのまさか。」
小町「あの話か…そういえば孝太、私達にもまだ、話してくれるっていって話してくれなんだんだっけ?」
操「僕も聞きたい!!いい?」
孝太「あぁ、勿論いいよ。みんなで来いよ。」
全員「やったぁっ!!」
 

同・客室
   孝太、公子、小町、操、麻衣、千里。

孝太「では…」

   電気を消す。

千里「ひぃーっ!!」
孝太「それは僕のおじいちゃんが若い頃に体験した話だって…。おじいちゃんは、お父さんがまだ僕ぐらいと時に亡くなったんだ。」

   真顔で静かに。

孝太「病気でも事故でもないんだよ…殺されたんだ…」

   みんな、息を飲む。

麻衣「こ、ろ、…されたって…」
孝太「そう…その殺した相手って言うのも事もあろうに、僕のおばあちゃんなんだ…」
小町「えぇっ?」
孝太「ある時おじいちゃんが買い物に出るために町へ出たときにね…昭和27年の夏の事…」
千里「やめてぇ、もうやめてやめて!!僕もういやだぁ!!」

   泣き出す。

孝太「おいおい、まだ始めを話してるだけだろ?本気で泣くなよ!!」
麻衣「千里君、大丈夫?大丈夫よ、泣かないで。」
千里「だって…だって」

   者繰り上げている。
 
千里「これって、怖い話なんだろ?僕そいのとっても苦手なんだよ!!」
公子「そうね孝太、やめた方がいいかも。」 
孝太「何だよ?何で公子まで止めんだよ?」
操「確かに、ここの何処かの部屋は出るとか言うし…」
千里「えぇっーっ?」
孝太「あぁ、その噂は僕も知ってる。何年か前にここの客室トイレで心中自殺をしたカップルがいただとか?」
千里「心中自殺って?」
公子「あら、あなた知らないの?心中自殺って言うのはね、叶わない恋をしちゃった人がお首を吊ったり、切腹したりして死んじゃうやつみたいよ。」
千里「あぁーっ、」

   泣きわめいて頭を抱える。

麻衣「千里君、だで大丈夫よ。ほんなの迷信に決まっとるわ。」

   キッとにらむ。

麻衣「ちょっと怖がってる子をこれ以上怖がらせて苛めるなんて!!あんたたちって最低!!人を苛めて、泣かせて何が楽しいんよ!!」

   千里を必死で慰める。


同・千里の部屋
   千里、珠子に顔を埋めて泣いている。

小口「弱虫めが、」

   笑う。

小口「友達に怖い話をされたって?千里は繊細だからね、そういう話もすぐに信じちゃうんだ。」
千里「ねぇママ、僕のとなりで寝て、お願い。何処にも行かないで、僕を一人にしないで。」
珠子「分かってるわ。ママはずっとここにいるわよ。さぁ、おしっこして寝ましょうね。」

   千里、首を強く振る。

珠子「行きたくないの?」
千里「したくない…」
珠子「でも、せんちゃんおしっこしてから寝ないとおねしょしちゃうじゃないの!」
千里「いい、いい…」
珠子「なら、絶対におねしょはしないでね。じゃあ寝ましょう…お休み…」
千里「お休み…」

   布団に入る。

小口「消すぞ。」

   電気を消す。

千里「ダメっ、」

   パッと起き上がる。小口、びくり。

小口「何だ千里、まだ起きていたのか。どうした?」
千里「お願い、電気消さないで!!」
小口「分かったよ分かった。分かったから早く寝なさい。」
千里「はーい…パパ、お休み。」
小口「はい、おやすみな千里。」

   小口、電気はそのままに布団に入る。


同・麻衣たちの部屋
   全員、眠っている。麻衣がむくりと起き上がる。

麻衣「トイレ…」

   部屋のトイレに入る。寝ぼけている。

   ドアをガチャガチャ
  
麻衣「んー?誰ぇ?」

   ストン、ドスンっと鈍い音。

麻衣「何?」

   ドアが開く。
 
   洋便器の上、縄が吊るされ、男女が首をつって死んでいる。

麻衣「…。」

   ぼわーっとつったってそれを見つめているが、何事もないようにトイレに入って洋便器の蓋を開ける。

幽霊たち「(汗)…」


   麻衣、暫くして何事もなかったかのようにトイレを出てくる。そして再び布団に入って寝入る。

   トイレにはもう何もなく、死体の姿もない。

茅野駅
   麻衣、千里、小町、孝太、公子、操。

孝太「ふーん…なら、千里は暫くは宮川にいるんだ?」
千里「うん、この秋の連休の内はずっと宮川のおじいちゃんのところにいるよ。そしたら又京都に帰っちゃうけど、冬休みになったら又来るよ。」
操「ふーん、ならさ、折角仲良くなったんだ。この休み中、僕らと少し遊ぼうよ。君に色々なところ案内するよ。」

   微笑む

操「遠い親戚同士…。」
麻衣「遠い親戚同士!」
千里「うんっ!!」
麻衣「なら何して遊ぶ?」
公子「諏訪と言えば?」
麻衣「生酒っしょ?」
孝太「おいおいお前、もっと子供らしいもん言えねぇのかよ?」
操「温泉とか?」
小町「温泉博覧会!!」
麻衣「ほーほー、ほれが今やっとるに。なぁ千里君、折角だもの、この休み中、行ってみない?」
千里「え、温泉?」
操「僕も賛成!!」
千里「…分かった、いいよ、なら僕も。」
操「決まりっ!!」


ロマネスコシルク・休憩室
   操、小町、孝太、公子、千里、麻衣。珠子、紅葉。

紅葉「まぁ、君は仲町さん家のご子息の操ちゃんと、小松さんちの双子ちゃんの孝太くんと公子ちゃんね。で、藤岡さんちの小町ちゃん、」
珠子「あらあら、みんなもう仲良くなって遊んでいるのね?」
孝太「この博覧会に参加しようっていったのは麻衣ちゃんなんだぜ?」
麻衣「あら?ほいだけど、私はただ行こうって言っただけで案を出したんは小町ちゃんと操ちゃんだらに。」

   三人、笑い会う。


珠子「とりあえず、お風呂入りましょうか。」
小町「ちょっとぉ、孝太と操ちゃんは男湯に入ってよね!!」
孝太「わ、わ、わ、分かってるよぉ!」
操「当たり前だ!」
小町「千里ちゃんは…」

   ニヤリ

小町「女の子の方に来てもいいわよ。」
公子「うんうん、大歓迎!君の裸ん坊、とっても可愛いんだもん。」

   千里、真っ赤になる。   

千里「や、や、や、や…やめろよっ!!」

   麻衣も赤くなってクスクス。

 
同・女子風呂
   子供たち、背中の流し相をしている。珠子、紅葉、それを見て微笑む。 

珠子「無邪気ね…可愛い。」
紅葉「今が一番可愛らしい時ですわ。」
珠子「せんちゃんったら、あの子女の子みたいだから必ず女の子たちに弄られてる…京都でもそうなのよ…。」
紅葉「まぁ、お宅は京都からいらしたの?」
珠子「えぇ。でもこの秋の連休の間はこちらにいるのです。宮川に夫の実家がありますので…」
紅葉「旦那様、宮川の方?」
珠子「えぇ。」
紅葉「実は私も、実家が宮川でして、三人兄弟なの。旦那様、お名前は?失礼ですがおいくつ?」

   それぞれに打ち解けている。

同・休憩室
   珠子、紅葉、お茶を飲んでいる。子供たち、わいわい遊び歩いている。

紅葉「他のお客さんのご迷惑にならないようにするのよ?」
珠子「外には出ては行けませんよ!!」
子供たち「はーいっ!!」

 
   子供達、エレベーターに乗ったり降りたりして遊んでいる。


同・エレベーター内
   麻衣、千里、小町、孝太、公子、操がクスクスと笑いながら乗っている。みんな、カップのジュースを飲んでいる。

操「あ!!」  

   ジュースを溢す。

孝太「あ、ミサ!!お前溢した。」
麻衣「ふんとぉーだ、ミサちゃんやっちった!!」

   操、わざと知らんぷり

操「知らないもんっ、僕じゃないもん、僕やってないもんっ!!」   


   メンバー、おかしそうにクスクス。

 
車内
   麻衣たちの車。麻衣、小町、公子、紅葉。麻衣、少しぐたーっとしている。

   後ろには千里たちの車がついてくる。ウインカーの合図を出す。

紅葉「ん?何かしら?」
小町「おばさんどうしたんですか?」

 
ガソリンスタンド
   千里たち、麻衣たちの車が入る。紅葉、珠子、降りる。

紅葉「小口さん、どうなさったんですか?」
珠子「本当にごめんなさい…ちょっと息子がおしっこ我慢出来ないって…」
紅葉「まぁ、それは大変!!大丈夫ですよ。千里君は?」

   千里、車から飛び出る。麻衣も出てくる。

麻衣「母さん…」
紅葉「あら麻衣、あなたまでどうしたの?」
麻衣「私もちょっとトイレ…酔ったみたい…吐きそう…」
紅葉「えぇっ!?…分かったわ。」


同・トイレ
   男女共同。千里が用を足している。そこへ麻衣が飛び込む。千里、ビクリ。

麻衣「ううっ…」

   麻衣、個室で吐く。

千里(…麻衣ちゃん…かなぁ?大丈夫?)

 
もみの木の湯・休憩室
   麻衣、けろっとしている。代わりに千里が少しげっそり。
 
紅葉「麻衣、気分はどう?」
麻衣「えぇ、大分良くなっとる。ありがとう…」 
紅葉「温泉に入れば元気になる筈よ。」 
麻衣「ほーかしら?」

   千里、ぼわーっとしている。

珠子「せんちゃん?あなたはどうしたの?」
千里「何か頭痛いよ…」

   眉間を揉んでいる。

千里「目が疲れているのかしら?それとも凝ってるのかな…」
珠子「あなたも多分、温泉に入れば治るかもよ。」
千里「そうかな?」

   弱々しくにこにこ。


同・女子風呂
  千里、相変わらず入っている。

麻衣「千里君、ふんとぉーに君…何か大丈夫?」
千里「え、うん。僕は大丈夫。こんなのきっとお風呂入れば治っちゃう。」
麻衣「…ほぉ?」

   心配そう。


同・休憩室
   千里、赤い顔をして更にぐたーっとしている。

千里「ううぅぅっ…」


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