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石楠花物語小学校時代
水泳記録会と運動会

同・プール
   水泳記録会。五年生全員がいる。服を着ている。

河原先生「まずは、着衣水泳から始めます。よーい…」

   グループ毎、泳いでいく。

河原先生「それでは次の組、柳平麻衣ちゃん、小口千里君、小山タミ恵ちゃん、掛川十君。よーい、」

   タミ恵、掛川、泳ぎ出す。麻衣と千里はビート板。麻衣はビート板でどんどん進んでいくが、千里はなかなか進まない。

麻衣「千里君、千里君っ!!」
千里「進まないぃっ、」

   ばた足をしているが、軈てビート板が傾いて千里は亀になってしまう。

麻衣「せんちゃんっ!!」

   戻ってきて慌てて助ける。

麻衣「大丈夫?」
千里「大丈夫、」

   プールの水で涙を隠す。麻衣、千里を支えてプールを出る。

   観客の珠子、小口は心配そうに眉をしかめる。

   千里、プールを出ると肘で涙を隠す。

麻衣「せんちゃん、大丈夫よ。怖かったな、よく頑張ったに。」
千里「僕もうやだ、泳ぎたくなんてないよぉ!!」

   しくしくと泣き出す。麻衣、優しく千里を慰める。

   次、個人泳ぎ。みんな水着になっている。麻衣、千里で五メートルを泳ぐが、やはり千里は泣いてしまっている。

   最後、手作り筏に乗っている。千里は恐怖に震えながら半泣きで乗っている。


同・更衣室
   男女別れて着替えている。

掛川「おーっ、寒っ。こんな日に水泳やるなんてどうかしてるよ。もう終わりにすればいいのに。」
千里「本当、本当。僕もう冷えちゃって…」

   二人を着替えながら 

千里「実はずっとおしっこしたいの我慢してるぅ!!早く着替えなくちゃ…」

   掛川、笑う。

千里「他人事だと思ってぇ、笑うなよ…」


知晃「でも今日のまいぴう凄くかっこよかったよ。」
麻衣「え?」
恵美子「そうそう、千里君助ける君、素敵だったよ。」
田苗「千里君、これを機にまいぴうの事好きになっちゃったりしてね。」
麻衣「えーっ?」
田苗「優しくて美人な女の子はモナリザなんだぞ。」

   タミ恵、つんっと樮笑む。

タミ恵「でも、とってもよく目立ってたわね。ビート板のお二人さん。よくお似合いだったわ。さようなら、お先に。」 

   恵美子、悪態をつく。

恵美子「嫌なやつ、」
田苗「放っとこ、放っとこ」
知晃「そうそう!!まいぴうが誉められて自分が誉められないからやっかんでるのよ。美徳ばっかりいつも振り撒いてる。だから嫌がられるんだわ。」
麻衣「ほーね、大丈夫。私も気にしとらん。みんな、いこいこ。」 

   女子たち、ガヤガヤと出ていく。


同・校庭

らむぴう【それでお次は運動会ぴう。】

   初めは吹奏楽のパレードから始まる。千里はベルリラ、麻衣はホルン。

   軈て徐々に競技が始まる。千里は河原先生に声をかけてトイレばっかり立っている。
 
河原先生「千里君、もう私に言わなくていいから、行っておいでなさい。」
千里「はいっ、ありがとうございますっ!!」

   トイレに走っていく。


   五年生、短距離走。

千里「はぁ…嫌だな…」

   肩を落とす。

麻衣「千里君、大丈夫?」
千里「短距離走…やだ…」
麻衣「大丈夫よぉ、頑張って。上位になれなくたっていいの。やることに意味があるのよ。」
千里「うん、」

   弱々しく微笑む。

千里「ありがとう…」

   客席には千里の家族。女の子の赤ちゃん(小口忠子)が増えている。珠子、双眼鏡を構えて千里を見つけている。

珠子「ねぇあなた?せんちゃんは?あの子はどこなのかしら?」
小口「珠子、そう焦るな。焦らなくても千里は逃げてかないし、きちんと走るさ。」

河原先生「次の組、位置について…よーいっ…」

   麻衣、タミ恵、恵美子、田苗、知晃、女の子

   バンッ!!一斉に走り出す。

紡「麻衣っ、行けぇっ!!」
糸織「ファイトっ、ファイトっ!!頑張れぇーっ!!」
千里「麻衣ちゃんっ、頑張って。」 
掛川「麻衣ちゃんっ!!」

   応援団も応援をしている。

   麻衣、ビリでゴール。

麻衣「チキショーっ!!又もやびりっけつだ!!」

   悔しそうに戻ってくる。

麻衣「せめて一度くらいは、気持ちよく、あの勝利の帯を切ってみたいよな。」

栗平先生「次、男子の組。どうぞっ、準備して。」

   他四人の男の子と千里と掛川。千里は蒼白な青白いかおをしている。

掛川「千里君、大丈夫だよ。自信持ちなよ。」
千里「うん…」
栗平先生「それでは位置について…よーいっ…」

   バンッ!!一斉に走り出す。

珠子「見てっ、見てあなたっ!!せんちゃんよ、せんちゃんがいたわっ!!」

   大興奮。

珠子「ふふっ、かわいい!!せんちゃん、頑張ってぇっ!!」

   千里、小さい体でちょこちょこと走っている。

麻衣「せんちゃんっ!!頑張って最後まで走るの!!やり抜くこんに意味があるんよっ!!」
千里(麻衣ちゃん…よしっ、)

   全力を出して走る。

   4位でゴール。戻ってくる。

麻衣「せんちゃん凄いっ!!凄いに!!あんた何よ、ビリじゃないじゃないのっ!!」
千里「僕、4位なんて初めてだよ!!嬉しい…」

   麻衣にそっと泣きつく。

千里「いつもは僕、ずっとビリだったんだよ…それなのに、それなのに、う、う、う…」
麻衣「よしよしよし、あんたはよく頑張った。偉いに。」

   しばらく泣いている千里。

   そのあとは麻衣の竹引き、騎馬戦等があり、千里の棒倒しがあるが、千里が倒されて泣かされて戻ってくる。


アナウンス「それではこれより、お昼休憩になります…午後の部は…」

麻衣「お昼だって、せんちゃん、よかったら家と側で食べようか?」
千里「いいの?」
麻衣「もっちろん!!」
千里「ありがとう、ならママに聞いてくるね。」

   笑ってかけていく。そこへ健司と磨子

健司、磨子「よっ。」
麻衣「よっ…て、おおっ!!」
磨子「見に来たに。」
健司「やってるか?遅くなってわりぃ。ふんとぉーは午前中から来るわけだったけどさ、俺何か腹の調子悪くて…」
麻衣「大丈夫だだ?」
磨子「へー大丈夫、大丈夫。どーせ又変なものでも食っただら?自業自得。」
健司「はぁ、なんだよほの言い方!!お前には情けの欠片もねぇーのかよ?心配とか思わねぇーのかよ?」
磨子「少なくともあんたには余程のこんじゃない限りありませぇーんっ!!」
健司「っく、無情な女…」
麻衣「ほいじゃあさ、二人も一緒にご飯食べまい。」
磨子「わぁ!!やったぁ。」
健司「なら遠慮なく邪魔するぜぇ。」
麻衣「どーぞどーぞ。」

   そこに千里がかけて来る。

麻衣「あ、」
千里「ママにパパもいいってさ、だから一緒に…」

   磨子と健司を見る。

千里「あぁっ、君達!!」
磨子「よ、覚えててくれたんだね少年。元気だったか?」
千里「うんっ。ありがとう。元気だよ。磨子ちゃんだよね。」
磨子「君は千里君だ。いい名だね。」

   千里、照れる。そこへ珠子、小口、頼子、珠子に抱かれた忠子。

珠子「麻衣ちゃんね。いつも家の千里をありがとうね。」
麻衣「千里君のお母さん、お父さんですね。」
小口「そうだよ。今日はありがとう。さぁ千里、ご飯食べに行くか?君達は?」
千里「僕の友達…健司くんに磨子ちゃんだよ。みんなで一緒にご飯にするんだ。」
小口「そうかそうか、」

   微笑んで、千里の頭を撫でる。

麻衣「では私の両親はこっちにいます。さぁ、いきまい、どうぞどうぞ。」

   みんな、麻衣に案内されていく。


同・中庭
   何組もが昼食にしており、その中に麻衣たちもいる。仲良くみんなでご飯を食べている。


   午後の部が始まる放送がかかる。

麻衣、紡、糸織「やばっ、もうこんな時間!!午後の部がへー始まる!!」

   三つ子、急いで残りを掻き込んで靴を履く。

麻衣「ほれっ、千里君もはぁく。」
千里「うんっ!!」

   立ち上がるが

千里「んんっ、僕おしっこ!!」
小口「そんなにお茶沢山飲むからだろうっ!!」
珠子「早くおトイレいって集合なさい。」
千里「うんっ!!」

   飛び出ていく。

麻衣「あの子…いつもおしっこもれちゃいそうになってる。」

   くくっと笑う。

紡「いつも?」
麻衣「ほーなの。幸いおもらしはしてないけど…」
糸織「もっと早くにおしっこ行けばいいのに…変なの。」

   珠子、小口も笑う。

小口「そうだよな…家ではね、おもらしすることはよくあるけどね…」
珠子「本当。きっとあの子もシャイなところあるからね…おしっこしたくても言い出せないのよ。なかなか…」


   千里、用を足しながらくしゃみをする。

千里「嫌だな…僕何か風邪引いちゃったかなぁ?」


同・校庭
   午後の部が始まる。応援合戦、PTA、地域の方々参加の大玉送りと綱引きがある。

   最終、組体操がある。ピラミッドで千里と麻衣は其々に一番上に乗る。

全員「右、左、上、下、前…やぁっ!!!」

   大きな拍手が起きる。


柳平家・三つ子の部屋
   麻衣、ベッドに倒れる。

麻衣「ふぇーっ、ごしてぇっ。」  
紡「ふぇーっ、ごしてぇっ。」
糸織「ふぇーっ、ごしてぇっ。…寝よ。」
三つ子「お休みぃ。」
紅葉の声「お疲れさま、みんなおやつよ。」
三つ子「一寝入りしてから食べるぅ。」

   三つ子、目を瞑ると直ぐ様寝入る。


小口家・台所
   千里がおやつのケーキを食べているが、うとうと。

小口「千里、今日のお前は格好よかったぞ。パパしっかりビデオ撮ったからな。後で見ような。」
珠子「本当。組体操もよく頑張ったし、短距離走もよく走ったわね偉かったわよ。疲れたでしょう、ほら、ケーキと甘い紅茶を飲んでゆっくりと休みなさい。」
千里「…。」
珠子「ん…?せんちゃん?」
千里「はいっ?えっ?」

   はっと起きてキョロキョロとするが睡魔に負けて又もやうとうと。珠子、小口、ふふっとわらう。

小口「寝ちゃったね…」
珠子「まぁかわいい!!」

   揺する。

珠子「せんちゃん、せんちゃん…眠いのならお布団に入って眠りましょうか?ケーキはとっておいてあげるからね。」

   千里をお姫様抱っこして部屋へと連れていく。


同・千里の部屋
   珠子、千里をベッドに寝かす。

珠子「今日は余程疲れたのね。ゆっくり眠るのよ。お休みせんちゃん…今日の夕食は焼きそばカツカレーをつくってあげますからね…」

   珠子、フット笑って電気を消すと部屋を出ていく。千里、気持ち良さそうに寝返りをうちながら眠っている。


豊平小学校・教室
   数日後。

河原先生「と言うわけで、皆さんにはわがまま研究と言うものをやっていただきます。」

   黒板を書く。

河原先生「わがまま研究とは、皆さんの好きなもの、興味のあること何でもいいんですよ。その中の何か一つをテーマに思い思い、自由に研究をするんです。そして、一ヶ月後に発表をしていただきます。分かりましたね。」

   休み時間。

知晃「だって、みんな何にする?」
田苗「私はもう決めたわ。」
知晃「何何々?」 
田苗「韓国の宮廷料理について…」
知晃「へぇー渋っ。」
田苗「何よ?じゃあそういうちきは何なの?」
知晃「私?私はね、お父さんのやってる美容室を調べるわ。お客の出と入り、そしてどんな髪型が人気なのかとか。」
恵美子「私は茅野市内で人気のある食べ物やさんとそのメニューだな。」
タミ恵「なら私は学校給食のメニューを…」
恵美子「何よ、タミ恵!!あんた人の真似しないでよね。」
タミ恵「あら、真似してるのはあなたじゃなくて?私は元々初めから考えていたのよ。」

   張り合う二人とあきれるその他。

麻衣「んで、私は何かバレエの事を調べようと思うの。コンクールとかさ。せんちゃんは?」
千里「僕?僕はぁ…」

   恥ずかしそうにもじもじ

千里「まだ構想しかできてはいないけど…」
タミ恵「おもらしとおねしょの回数とか?」 
全員「タミ恵っ!!」

   千里、下を向く。

知晃「千里君、気にしなくていいよ、こんなのの言うことは。」
麻衣「続けて…」
千里「ピアノ何曲弾けるかな…」
麻衣「まぁ素敵!!お互い一緒に頑張ろうな。」

   ニッコリ。

麻衣「あんたってピアノ弾くんだな。てか、大好きなんだな。何?いくつから?」
千里「僕は、ピアノは5才から、バレエは3才からだよ。何?君もバレエやってるんだね。」
麻衣「えぇ、まぁな。すごーい。男の子のピアノ、バレエなんて何か凄く格好いい。私見てみたいわ。」

   うっとりと笑う。

千里「てへへっ。僕なんてまだまだ全然だよ。」 

   どきりと笑う。


原村・上里
   麻衣、健司、磨子

健司「へぇ、わがまま研究か…いいな。俺たちの学校にはほんなのねぇーや。」
磨子「そんなの私もだに。」
健司「で?お前は何やるんだ?」
麻衣「何かバレエの事を調べようと思うの。」
磨子「バレエ…そうか、確か麻衣ちゃんは小さい頃からバレエもやってるんだっけ。」
健司「ふーん、いいじゃん。で、発表はいつなんだ?」
麻衣「一ヶ月後の総合の時間だに。」

   一気に自転車で坂を下り降りる。片手を離す。

麻衣「片手運転事故のもとっ!!」
健司「あっ、おい待てよっ!!」

   健司も下り降りる、両手を離す。

健司「両手離しも事故のもとっ!!」
磨子「待ってよぉっ、もお、私を一人だけ置いてかないでよぉ!!」

   荷物置きに両手を乗せる。

磨子「後ろ手運転も事故のもとっ!!」

   三人、ごたっちく自転車を下ったり漕いだりしていく。


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