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石楠花物語小学校時代
二人のミニキャンプ

干物作り体験
   翌朝。千里、すっかり悄気てしまっている。

麻衣「ちょいと…せんちゃん大丈夫?君、昨日よりも、落ち込んどる?」
恵美子「元気出しなよ、ホームシックならさ、今日帰れるんだよ。」
田苗「そうだよ、生の蛸足食って笑顔になろうぜ。」
知晃「アジの開きもあるよ。」
恵美子「そりゃまだ食えんじゃろ?」
知晃「あ、そっか。」

   タミ恵、相変わらずつんっとしている。

タミ恵「みんなで話をしているの聞いたわ。あんた、やけにこそこそしてるじゃないの?別に恥ずかしいことでもあるまいし…おねしょしたんですってね。」

   千里、かぁーっと赤くなって俯き、泣き出しそうになる。

麻衣、恵美子、田苗、知晃「これっ、タミ恵っ!!」
タミ恵「あら何?こりゃ又失礼。言っちゃいけませんでした?」

   嫌みっぽく

タミ恵「ホップ茶と赤蛙の塩焼きがよく聞くらしいわよ。食べて飲んでみるといいわ。本当に聞くのかどうか分からないけどね…」

   千里、泣き出す。

恵美子「この、性悪女!!」
田苗「人でなしっ!!」
知晃「無情女っ!!」
麻衣「薄情者っ!!」

   千里を抱き寄せて慰めている。

麻衣「大丈夫だに、せんちゃん…タミ恵ちゃんなんて気にしちゃいけんよ、よしよしよし…」

   千里、麻衣にしがみついている。泣く。他三人も泣く千里を慰めている。


バスの中
   まだ者繰り上げる千里、隣には麻衣。 

麻衣「せんちゃん、へー泣かんで。大丈夫よ…心配せんで、あんたのせいじゃないし、あんただけじゃない。」
知晃「そうだよ小口くん、あまり落ち込まないで。全然恥ずかしいことじゃないよ。私たちまだ子供だもん。」
恵美子「大人だって失敗しちゃうことあるんだからさ。」
田苗「ね、ほら。いぃーっ!!」

   変な顔をする。

千里「みんな…」

   クスッと笑う。

千里「ありがとう。」
麻衣「やっと笑ってくれた…君、笑うととても可愛いね。」

   千里、恥ずかしそうに微笑むと立ち上がる。

千里「ハイハイハイハイはーいっ!!次僕が歌いまぁーすっ!!」
河原先生「お、君ね。千里くん、何を歌うの?」
千里「チョコミントの“アイスクリームバケーション”」

   恥じらいながらも歌い出す。他全員は手拍子。


上川城南小学校・教室
   眞澄が気抜けしたような顔でため息をつく。

後藤「おい眞澄、どうしたんだよ?」
小平「最近お前、なんか変だぜ?」
眞澄「チーちゃんがいなくて寂しいのよ…」
小平、後藤「千里が?」
小平「でも、来年の今ごろにゃ又帰ってくるぜ?」
眞澄「来年まで待てないもん。」
後藤「なら、会いに行くか?」
眞澄「何処に住んでるかも分からないもん。」

   後藤、小平、顔を見合わす。


原小学校・教室
   同じく健司がぼんやりしている。

西脇靖「おいタケ、どーしたんだん?」
岩井木徹「最近、調子でないな。」
健司「うーん…」
清水千歳「分かった!」

   ニヤリ

清水千歳「女の子か?」
健司「麻衣が、」
岩井木「麻衣?」
西脇「誰だそりゃ?」
健司「俺の幼馴染みだよ。ちっちゃい頃からずっと一緒に遊んでるんだ。」
清水「それで?」
健司「だに最近あいつ、ちっとも会ってくれねぇーし、遊んでもくれねぇー。だもんでつまんない。」
清水「ふーん。だったら君から誘えばいいのに遊ぼって…」
健司「えーっ…」

   渋って赤い顔をする。

健司「何か恥ずかしいなぁ…」


豊平小学校・畑
   5年生が男子は田んぼ、女子はそば畑に別れている。千里、恐る恐る。

掛川「お、千里君!!ここ蛇いるぞ。」
千里「わぁっ!!」
河原先生「冗談です、千里君、そんなものいません。」

   笑いながら

河原先生「こらこら十君、お友達苛めるんじゃありませんっ!!」

   千里、手作業はとてもいい。

河原先生「まぁ千里君、君は田んぼの経験あるの?とても上手いわね。」
千里「いえ、近年になってはありません。しかし1000年前の昔に僕は、農夫の仕事もしておりましたので。」
河原先生「え?」
千里「いえ、」

   赤くなる。

千里「何でもありません。失礼いたしました…」

   麻衣はそば畑をやっている。

知晃「あ、ねぇ何かまいぴうって畑仕事うまいね。家畑とか?」
麻衣「まぁな。農家ではないけどあるで、手伝ったこんは何度もあるに。」
知晃「へぇー。私なんて嫌で全くしないや。」
恵美子「家も、農家だけど全くやったことないわ。私は農業なんて無縁のようなもんだったね。」
田苗「そんなの私もよ。」
タミ恵「へぇ、あなたそんな如何にもな農業ネームしてるのに?」
田苗「うるさいわっ!!」
麻衣「でも、」

   うっとり
 
麻衣「この小さなものが私たちの主食んなるんだな…楽しみ…。」

千里「そばか…ねぇ、河原先生、このそばって後どうするの?」
河原先生「勿論、食べるのよ。」
千里「そうなんですか…でも僕、そばアレルギーなんです…」
河原先生「そうなの?教えてくれてありがとう。分かったわ、ならあなたは食べられないわね。」
千里「はい…」

   残念そう。

千里「じゃあこのお米は?」
河原先生「餅米ですので、後でお餅をついて食べます。」
千里「わあっ!!」

   有頂天

千里「お餅は僕、大好きです!!あんこかな?クルミかな?きな粉かな?それとものた?や、こりゃ季節じゃないな。」
掛川「この辺だったら白味噌だよ、ね、河原先生。」
河原先生「そうね。」
千里「白味噌…?」

   ポカーンとして考える。

千里(白味噌?あのお味噌汁に入れるやつかなぁ?味噌やきもち?)

   想像してにやにや涎

 

同・校内
   手を洗う生徒たち

麻衣「はぁ、やっと終わった!ごしたいごしたい。」

   そこに千里。

麻衣「あ、せんちゃんお疲れ様。」
千里「麻衣ちゃん、」

   笑う。

千里「このあとは?何だっけ?」
麻衣「確か…体育じゃない?校庭の…」 

   千里、ふらふらっと目眩を起こす。


同・教室
   給食を食べる。千里、積極的に余り物のお代わりや脱脂粉乳のお代わりにいっている。

麻衣「せんちゃん、君よく食べるな。」
千里「うんっ。だって次体育なんだろ?よく食べておかないと、バテちゃうもん。」
麻衣「なら、はい。」

   千里に揚げパンを半分渡す。

麻衣「私こんねに食えんでさ。あんた食えたら食って。」
千里「いいのぉ?」

   とても嬉しそう

千里「ならっ。遠慮なく頂きまぁーすっ!!」

   麻衣、クスクスっと笑う。


同・校庭
   サッカーをやるクラスメート。千里、ボールは追いかけるがなかなか蹴られずにいる。

河原先生「千里君っ、一度くらいはボールを蹴りなさい!!よく見るの!!」
千里「はいっ!!」

   ちょこちょこと困ったように走る。

河原先生「一回でも蹴らないと後で…お話があります。」

   千里、身震い。


   試合が終わる。教室に戻っていくメンバー。千里、しゅんと肩を落としてビクビクと震えている。

麻衣「せんちゃん、どーした?元気ないな。」
千里「一回もボール蹴れなかった…」
麻衣「何だ、ほんねこん」

   背を強くぽーんと叩く。

麻衣「せんちゃん、どんまいっ!!」
千里「でもでも…」

   震えて泣きそう

千里「又、河原先生に怒られちゃう…」
麻衣「ほんくれぇーで、怒らんわよ。」
千里「だって…」
麻衣「本気でいってたと思う?あれは、冗談です。あんたを本気にさせるためよ。」
千里「本当に?」

   麻衣、笑って強く頷く。

千里「良かった…」
麻衣「さてと、最後は児童会だに。あんたは確か私と一緒ずら?だでさ、ね。一緒にいこう。」
千里「うんっ!!」

   やっと笑って二人で校門に入っていく。


尖り石縄文公園・復元住居前
   麻衣、千里、健司。

健司「何だよ?今までずっと無視してたくせに急に俺のこん呼び出してさ…」
麻衣「無視だだんて、人聞きの悪い言い方やめてやね。色々会って遊べなかったんよ。」
健司「で?」

   キョロキョロ

健司「どいでここ?」
麻衣「ほれ、私たちさ?今年は茅野市の歴史を調べるって授業…」
健司「あぁ!!ほれなら俺にもあるよ。」
麻衣「だら?だもんでどうせなら一緒に調べ学習したいなぁと思って。」

   千里を見る。

麻衣「私とせんちゃんは一緒に組むことになっただ。」
健司「で、何を調べるの?」
麻衣「茅野市5000年よ。」
健司「はぁ?」
麻衣「だで5000年前の茅野。つまり、縄文時代…ここにどうも大きな王国が当時はあったみたいなんよ。でも、ほの王国の歴史について詳しくは書かれてないの。ほいだもんで、私ほれにうんと興味あるだだもんで調べたいだだよ。」
健司「へぇ、面白そうじゃん。ほれなら俺もほれやるよ。確か、アラセルバとか言う王国だよな。」
麻衣「へぇ、あんたよく知っとるな。私名前までは知らん。」
千里「僕、初めて聞いたよ。」
麻衣「ほいだもんで、とりあえずは…」
千里「ねぇ、」
麻衣「せんちゃん、何?」
千里「それならさ?折角こうして友達になれたんだ。僕の家この近くだからさ、近い内に僕んち遊びに来てよ。そしてみんなで一緒に調べ学習しよっ。」
麻衣「わぁ、いいだぁ?」
千里「勿論さ。ね、健司くん、君も。」
健司「俺も?やりぃっ!!」
麻衣「んならさ、私達のミニキャンプが終わってから何てどう?」
健司「ん、ほのこんなら俺もミニキャンプだ!!しかも、ほの後ならちょうどいいぜ。」
麻衣「どいで?」
健司「お前知らねぇーのかよ?流星群があるんだぜ?何100年ぶりだとよ。」 
麻衣「へぇ、ほいじゃあほんときがいいわね、どう?せんちゃん。」
千里「ん、いいねぇ!!僕ママに聞いてみるよ。」
麻衣「分かったら又連絡してな。」
千里「OK!!」
健司「と言うわけで?今日はまず何して遊ぶ?」

   三人、森の奥へと歩いていく。


小口家
   お腹の大きい珠子、千里。

千里「ママ、赤ちゃんまだ生まれないの?」 
珠子「まだよ。まだですから、心配しないで行っておいでなさい。今日はミニキャンプでしょ?いい子にするのよ。」
千里「ママ…」

   泣きそうになっている。

珠子「ほらほら、又泣きそうになってる…この泣き虫さん。」

   千里を抱き寄せる。

珠子「もう五年生でしょ?しっかりなさい。来年は修学旅行なんですからね。よしよしよし、」

   千里を離す。

珠子「帰ったらあなたのお誕生日ね。ちょうどお友達が来る日だわ。ちゃんとお祝いしてあげるからね。何が食べたい?」
千里「うーんとそうだな…焼きそばカツカレー!!」
珠子「欲張りさん、分かったわ。じゃあ材料と、お布団もみんな揃えておきますからね。」

   千里を送り出す。千里、泣いて家を出ていく。

   玄関の外に麻衣。

麻衣「せんちゃん、」
千里「麻衣ちゃん、」

   慌てて涙をぬぐう。

千里「迎えに来てくれたの?」
麻衣「うん、一緒に行こうと思って。でも…」

   心配そうに眉間にシワを寄せる。

麻衣「大丈夫だだ?どうしたの?泣いてたみたいだけど…」
千里「ごめんね、大丈夫…何でもないんだ…。ほらっ、早くいこう。」
麻衣「えぇっ!!」

   二人、リュックサックをしょって走っていく。珠子、微笑んで見送る。


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