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石楠花物語小学校時代
転校先の再会
   『石楠花物語小5時代』

アパート・柳平家
   柳平麻衣、柳平紡、柳平糸織、柳平と子、柳平あすか、キョロキョロ。柳平紅葉、柳平けいと、柳平八重子、柳平正三は荷をほどいている。

麻衣「小さいアパートね、ここに住むだ?」
紡「こんなところに9人も住めるだけやぁ?」
糸織「ふんと、ふんと。」
紅葉「たったの一年なんだから少し狭くても我慢なさい。」
三つ子「ほーい…」
紅葉「あすかはまだ小さいから、楓に来ていただくことになってるの。」
柳平「おぉ、それがいいだろう。」
糸織「え、楓叔母さんもここに住むだ?」
紡「ってこんは10人か…」
麻衣「お家パンクしちゃうわね。」

   全員、笑う。

八重子「さぁ、荷も大分片付いてきたから、少し休む?私お茶入れるわ。」
紅葉「宜しく、ありがとう八重子。」
正三「僕も手伝うよ。」 
八重子「いいわよ、何?気持ち悪いわ。」

   正三と八重子、台所に立つ。

麻衣「なぁ母さん、私ちょっとお散歩してきていい?この辺の町を見てみたいのよ。」
紅葉「いいわよ、でもあまり遠くにいっちゃあダメよ。」
三つ子「はーいっ!!」

   走って飛び出ていく。

紅葉「車にはくれぐれも気を付けてね。」


豊平・田舎道
   三つ子が歩いている。

糸織「なぁ、何処行く?」
紡「確かぁ…ここずっと歩いてくと公園があるに。」
麻衣「あぁ!!尖り石の縄文公園かぁ!!行ってみよ。」
三つ子「イェッサァーッ!!」

   三人、走り出す。


尖り石縄文公園付近
   ちょぼちょぼと民家がある

麻衣「ありゃあ、何処だ?確かこの辺…」


   近くのあるアパート。小口千里、小口珠子、小口懐仁が荷を車から下ろしている。

麻衣「あ、あの家も引っ越してきたのか…」
紡「私達と同じくらいの子がおるんね…」
糸織「あの子も転校してくるのかな…可愛いなぁ、何か。」

   紡、ニヤリ

紡「お、しお、あの子に一目惚れだな?」

   糸織、真っ赤になって慌てて首を降る。

糸織「ち、ちちちち、違うったら!!」

   うっとり

糸織(お友達になりたいな…お名前なんてかな…)

   千里、三人に気がついてこちらを見つめる。糸織、どきりとして目を伏せる。

麻衣「おーいっ!!」

   千里の元へとかけていく

麻衣「あんたも、何?引っ越してきたの?」
千里「う、うん…君達も?」
麻衣「えぇ、母さんの仕事の都合でな。」
千里「へぇ、僕も。」
糸織(いいな…みんなで何お話ししてるんだろ?)
麻衣「私、5年生…柳平麻衣。あんたは?」
千里「僕も5年生、小口千里ってんの。宜しく…え?」

   恥じらってもじもじ

千里「ひょっとしてぇ…柳平麻衣ちゃんって…」
麻衣「ん?何?私のこん知っとるの?」

   少し考える。千里をまじまじ。

麻衣「ひょっとして…あんたは、せんちゃん?」

千里「まさかこんなところで又君と会えるだなんて!!」
麻衣「えぇ、私もよ。あんたも大きくなっちゃって分からんかったわ。少し髪型も変えたみたいだし…」
千里「えへへっ。そうなんだ…。」
麻衣「でも私は、今の方があんたらしくて何か好きだに。」

   千里も赤くなって照れて笑う。

麻衣「でもふんとぉーに…又会えるだなんて、とっても嬉しい。あの時は…私…」

   もじもじ

麻衣「あんたにあんな態度とってごめんな…ほんなつもりじゃなかったの…」
千里「いや、いいよそんなのもう。」

   微笑む。

麻衣「大きくなったな…でもありゃ?京都に行ったんじゃあ…」
千里「あぁ、去年こっちへ引っ越してきたんだ。」

   二人、話し込んでいる。珠子もにこにこ。

珠子「まぁ、あなたたちも5年生なのね?豊平小へ?」
麻衣「えぇ、泉から…ここは?何て言うの?」
珠子「広見、ですって。同じ学年なら一緒になることも多いでしょうから、」

   そこへ、恥じらいつつも糸織がやって来る。

珠子「うちの息子は本当にどうしょうもない息子ですけれども、仲良くしてね。宜しく。」
糸織「む、む、む、む、息子ぉーーーーっ?」

   ショッキングな顔。

紡「ご、ごめん…君…男の子?」
千里「そうだよ?君達、僕をまさか、女の子だと思ってたの?」
紡「えぇ…」
千里「よく見ろよ、つむちゃんだろ?」
紡「え?」
千里「さくら組のせんちゃんだよ。」
紡「へぇー…せんちゃんっ!!」

   目を見開く

紡「当時から乙女みたいだったけど…更に乙女らしくなったなぁ」
千里「ええっ?」

   千里、なんとも言えない顔をして珠子と小口を見る。

小口「はははは、千里、そう思われたって仕方ないな。お前は本当に女の子みたいだ。」
千里「んもぉっ、パパまでぇ!!」

   全員、笑う。糸織はまだ愕然と白くなっている。

糸織(僕の初恋は破れたり…)
小口「そうだ、折角だから千里、新しいお友達たちと遊んできなさい。」
珠子「そうね。でもあまり危ないところや遠くへいってはダメよ。」
千里「やったぁ、はーい!!」

   三つ子を見てもじもじ。

千里「…遊ぼ…」

   三つ子、満面の笑み

三つ子「せるりーぃっ!!」

   千里も微笑む。麻衣、千里の手をとって三人は走り出す。千里、走りながら珠子と小口に小粋に手を振っていく。


豊平小学校・教室
   河原輝先生、麻衣、千里。

河原先生「それでは、我がクラスに今年から新しいお友達を紹介いたします。」

   大きな拍手が起きる。

河原先生「それでは二人とも、自己紹介をお願い。」
麻衣「はいっ。茅野市宮川長峰小学校から参りました、柳平麻衣です。」
千里「諏訪市上川城南小学校から参りました、小口千里です。男です。」
二人「宜しくお願いしますっ!!」
河原先生「はい、それではみんな仲良くしてね。麻衣さんと千里君は、一番後ろのあの席に並んで座ってね。」
二人「はいっ。」

   二人、座る。

河原先生「それでは、出席を取った後、一時間目の授業を始めますよ。いいですね?それでは早速…小口千里君っ。」
千里「はいっ、」
河原先生「柳平麻衣さん、」
麻衣「はいっ、」

   どんどん出席がとられる。 


同・校庭
   休み時間。麻衣、千里、掛川十、小山タミ恵、横田知晃、矢ヶ崎恵美子、五味田苗

知晃「うちのクラス、転校生なんて入ってきたのはじめてだもんで嬉しい!!なんかワクワクしてるよ。」
恵美子「私も私も!!ねぇ、私は恵美子。矢ヶ崎恵美子よ、宜しく!!」
知晃「私は知晃!!横田知晃だよ。」
田苗「五味田苗です。」
掛川「僕、掛川十ってんの。」

   タミ恵、つんっとしている。

掛川「おい、タミちゃん、君もなんとか言えよ…」
タミ恵「小山タミ恵…精々宜しく…」

   鼻高々に行ってしまう。

麻衣「まぁ、感じ悪い!!何処のお嬢様?」
恵美子「ふんっ、知るか!!私もあいつ大嫌いよ。何が偉いんだか知らないが、いつもあーなのさ。」
知晃「何か、お父さんは東京の人で大企業の御曹司、お母さんは京都出身の呉服屋の娘でかなり裕福らしいわよ。」
麻衣「まぁ、ほんな人がどいでこんな田舎村に来たずら?」
掛川「さぁね、知らない。左遷されたんじゃない?」

   全員、クスクス。

千里「あれ、僕も京都出身だよ。タミ恵ちゃんのお母さんは京都の何て言う処なんだろ?タミ恵ちゃんも京都に住んでいたことあるのかなぁ?」
知晃「へぇ、君も京都なんだ。なら聞いてみれば?」
恵美子「や、それはやめな。」
千里「どうして?」
恵美子「目に見えているさ。どーせ君がバカにされてあいつの自慢話聞かされるのが落ちさ。で何?じゃああれ?まさか君も御曹司とか?」
千里「いやいやいやいや、とんでもない!!まさかぁ。僕んちは平凡さ。ただの一般庶民の家さ。パパは消防士…ここにはママの仕事の都合できたんだ。なんかママが新しくこっちで仕事を見つけるみたい。」
麻衣「へぇ、あんたも?実は私もだに。母さんと姉さんがこっちで仕事が決まったもんで私達も転校させられたって訳。」


豊平オルゴール作っちゃいます有限会社・事務部
   紅葉、珠子がいる。矢崎泉都。

泉都「それでは紹介する、今日から一年間の契約で入っていただく派遣の柳平さんと小口さんだ。では二人とも、宜しく。」
紅葉、珠子「はい。」

   二人、席につく。

珠子「宜しくお願いします、良かったですわ。私一人かと思っていましたけど、もう一方いらっしゃって。」
紅葉「私も同じです。私のこの仕事のために、家族総出で引っ越してきたもんで、子供たちまで巻き沿いにしてしまって…」
珠子「まぁ、お子様がいらっしゃるの?、一緒に要らしたと言うことはまだ小さいんですね?」
紅葉「はい、一番上が17歳で、下の農協でアルバイトを始めましたわ。その次が15歳、北部中学へ。で、その下が三つ子でして豊平小学校の5年生…その下は、豊平小学校の2年生で、一番下がまだ三つです。合計七人の子供と共に…」
珠子「まぁ!賑やかくていいわね。私のところは下に三歳の娘と」

   お腹をさわる

珠子「今年の秋に予定の子供が一人…そして、豊平小学校の5年生になった息子が一人いるんですけどね、本当に甘えん坊で泣き虫で困っているんですよ。」
紅葉「まぁ。どの子かしら?」
珠子「小口千里と言いますわ。」
紅葉「千里君、帰ったら子供たちに聞いてみます。」
珠子「お宅のお子さんの名は?」
紅葉「家ですか?家は、紡、麻衣、糸織と言います。上二人が娘で、糸織は息子なんです。」
珠子「そうですの、では私も帰ったら息子に聞いてみますわ。」

   意気投合をして、お喋りをしながら仕事をしている。


豊平小学校・教室
   チャイムがなる。生徒たち、下校をし出す。

麻衣「なぁなぁ、せんちゃんだよな?」
千里「うん、君は…麻衣ちゃんだよね。家何処なの?」
麻衣「私は尖り石縄文公園のすぐ下だに。なぁ、折角一緒になったんに、一緒に帰ろ。帰ったら遊ぼうに。」
千里「本当に!?うんっ!!」
麻衣「あんた、諏訪から来たんね…」
千里「うん、そうなんだ…」

   話ながら並んで教室を出ていく。


尖り石縄文公園
   麻衣、千里、紡、糸織。

紡「へー、せんちゃんと麻衣が同じクラスになったんかぁ。」
糸織「僕とつむが同じクラスだ。」
紡「あ、改めて私紡。宜しく、紡って呼んで。」
糸織「僕は糸織、しおって呼ばれてる。あーあ、」

   千里を見る

糸織「君が女の子だったらなぁ、僕君に初恋ってやつをしてたかもしれないのになぁ…」
千里「やーめてくれよ…」

   赤くなってもじもじ

千里「僕は男の子なの…」

   広場を飛び回って大きく深呼吸

千里「でもここって広くてすっごく気持ちいいね!!本当に縄文時代にタイムスリップしてきちゃったみたい!!」

   うっとり

千里「でもここって何で尖り石縄文公園って言うの?」
麻衣「あぁ…ここは茅野市5000年の地だもんでだに。」
千里「…?」
麻衣「つまり、縄文時代にはな、ここはうんと栄えてて土器とかあとぉ、ほーほー、国宝縄文のビーナスが出土されてんだに。」
紡「ほ、だもんで茅野市は国宝のある町として有名。」
糸織「なんか当時はここに大きな王国があったなんて歴史の伝説?てか、噂話もあるみたいだぜ?」
千里「へぇー…王国かぁ…」
糸織「確かぁ、アラセルバ…とか言ったかな?」

   少し考え深げ

糸織「まぁいいよ、茅野市の5年生っていったらほの内どっかで歴史の調べ学習の発表会とかがあると思うでさ、ほんときに色々と調べてみりゃいいんじゃないか?」
紡「あ、ほーね。なんかほれも面白そうだに!!」
千里「茅野市の歴史かぁ…僕も調べよっと。」
麻衣「私も。」
糸織「ならみんなで今からやってみますか?」
全員「イェッサァーッ!!せるりーぃっ!!」


原村・上里
   麻衣、健司、磨子

健司「へー、で、お前以外にももう一人転校生が入ったんだ。」
磨子「名前は?男の子?女の子?」
麻衣「男の子だに、とっても可愛い物静かな子なの。宮川の小口千里君ってんだに。今度是非二人にも会わせてあげたいわ。」
健司「いいのか?ほいつ俺らにも会ってくれるかなぁ?」
磨子「私も、会えたら遊んでみたいな。」
麻衣「ん、覚えとらん?ほー、さくら組の!!」
磨子「さくら組?」
健司「さくら組のやつは全く俺は知らないなぁ?」
麻衣「ほ?とにかく、千里君も健司も磨子ちゃんも私の大切なお友達になっただだもん、会ってくれるさやぁ。喜んできっと会うに。ほしたらみんなで遊ばまい。な!!」
健司、磨子「イェッサァーッ!!せるりーぃっ!!」


小口家のアパート・台所
   珠子が戻る。千里、おやつを食べている。

珠子「せんちゃんただいま、」
千里「あ、ママお帰り。」
珠子「ねぇ、せんちゃん?紡ちゃん、糸織君、麻衣ちゃんって三つ子のご兄弟と会った?」
千里「あ、知ってるよ。ついさっきまで一緒に遊んでた。麻衣ちゃんは僕と同じクラスだよ。でも…何で?」
珠子「実はね、ママが入った職場にその子達のお母様も来ていらっしゃるのよ。」
千里「え、そうなの?」
珠子「ええ、偶然ってあるものなのねせんちゃん。さっきまで遊んでたの?良かったわね、早速いいお友達ができて…仲良くするのよ。」
千里「うんっ。…くしゅんっ!!」
珠子「嫌だせんちゃん、風邪かしら?」
千里「嫌、大丈夫…多分違うと思うよ…」
珠子「それでも、用心に越したことはないわ。もし風邪なら早め早めに治しておかないとね…ママ、手を洗ってきたら今、リンゴかりんの葛湯を作ってあげるわね。だからあなたは早く葛根湯をお飲みなさいっ。」
千里「だから大丈夫だって、」

   珠子を見る。

千里「はーいはいっ、飲みますよ、飲みゃいいんだろ、飲みゃ…っ。」

   葛根湯を作って飲んでいる。そのあとに又おやつの続きを食べようとする。

珠子「これっ、せんちゃんっ!!もう葛根湯を飲んだのならおやつなんて食べては行けませんっ!!又明日ね。暖かくしていい子で安静にしていなさいっ。」
千里「ちぇっ、はーい。分かったよ、そーする。リンゴかりんの葛湯、僕の部屋に持ってきてね…宜しくぅっ。」

   台所を出ていく。しばらくすると、ピアノの音が聴こえてくる。珠子、静かに優しくフフっと微笑む。

豊平小学校・教室
   翌日。千里、椅子に座って丸こまっている。

麻衣「ん、せんちゃんおはよう…どうしただ?」
千里「麻衣ちゃん…」

   苦しそうに

千里「何か朝からお腹痛くてさ…」
麻衣「まぁ、大丈夫?」
千里「うん…昨日ちょっと風邪っぽくてさ、葛根湯とリンゴかりんの葛湯を飲んだんだ…それが原因かもしれないってママが言ってたけど…」

   お腹を押さえる。

千里「うーっ、ちょっとごめん…僕トイレっ!!」

   教室を飛び出していく。


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