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石楠花物語小学校時代
四年生

柳平家
   麻衣が帰宅

麻衣「ただいまぁ!!」
柳平紅葉の声「お帰り麻衣。」


同・居間
   柳平紅葉がいる。そこへ、麻衣、柳平紡、柳平糸織

三つ子「ただいまぁ!!」
紅葉「みんなお帰り。どうだった?」
麻衣「えぇ、楽しかったに。」
紡「私も、鍵は触れんかった。」
糸織「残念、僕も。」
麻衣「私は触ったに。」 
紡、糸織「えー、うそぉ。いいなぁ。」

   紅葉、微笑む。

紅葉「楽しかったなら良かった。みんな無事に帰ってきて、母さんも良かったわ。」 
紡「あ、母さん!これ、」

   包みを渡す。

紡「お土産!」
糸織「あ、僕も!」
紅葉「ありがとう。まぁ、何かしら?おやつにしましょう、手を洗ってらっしゃい。」
糸織、紡「はーいっ!!」

   麻衣を見る。

糸織「君は?何買ったんだ?」
麻衣「私?私?…うーんと、私はねぇ…」

   二人、期待して麻衣をじーっとまじまじと見つめている。

麻衣「ごめんなさいっ!!買うの忘れました!!」

   二人、ずっこける。

糸織、紡「はぁーっ!!!!?」

   紅葉、クスクスとして台所に入っていく。麻衣、評し悪そうに舌を出して頭をかく。

麻衣「てへへっ…」


小口家
 
千里の声「ただいまぁ。」


同・今
   小口珠子が台所をしている。まだ二歳の小口頼子がチョコチョコと遊び回っている。珠子のお腹は大きい。

頼子「あ、千兄ちゃんだ。」
珠子「あら、せんちゃんお帰りなさい。新しい学校のお友達とはどうだった?」
千里「うん、少し怖かったりしたけどとっても楽しかったよ。みんなもすごく優しいんだ。」

   頼子を抱き上げる

千里「頼ちゃんただいま。お土産買ってきたよ。」
頼子「わぁー!!お兄たんのお土産だぁ!!」

   お土産を持って喜ぶ。

珠子「さぁ、せんちゃんも早く手を洗ってらっしゃい。おやつにしましょう。」
千里「うんっ。」

   手を洗いにいく。
  
 千里、食卓についておやつをしだす
   
  

 軈て、夕食時。珠子、頼子、千里、小口懐仁が夕食をしている。

小口「千里、学校はどうだったかい?」
千里「うん、パパ。とっても楽しかったよ。転校して行きなり旅行だったからビックリしたしちょっと怖かったけど…でも、凄く良かった!!」
小口「そうか、良かった。良かった。休み明けからは城南諏訪小学校だけど、もう大丈夫だね。一人で行かれるね。」
千里「うん、それと…」

   もじもじと上目で珠子と小口を見つめている。

小口「ん、何だ?どうした千里?言いたいことがあるのなら言ってみなさい…。」
千里「う…うん…それがですね…あのぉ…」

   恥ずかしそうに口を開く。


岩波家・台所
   食卓を囲む健司、岩波幸恵、岩波茂、岩波悟

岩波「悟に健司、原に来て二ヶ月が経つがどうだい?馴れたかい?」
悟「うん、馴れた人も少ないし静かでこっちの方がいいや。」
健司「俺も、まぁまぁ馴れたよ。みんないいやつだし。でも…」

   顔をしかめながらモグモグ。

健司「嫌だよここ、毎日のくらい給食にセルリーが出るんだ!!」
岩波「健司、お前は好き嫌いが多すぎる。これを気に克服しなさい。」
幸恵「そうよ、セルリーだってよく噛み締めて食べてみれば美味しいのよ。」
健司「噛み締めると余計に吐き気がしてくる…」
悟「タケ、」
健司「だって…お兄ちゃん…」

   不貞腐れて肉ばかりをとって食べている。

悟「おいおい、肉ばかり一人で食べるなよ。」
 
   健司の手を叩く。

健司「痛っ!!」


柳平家・居間
   三つ子、紅葉、柳平けいと、八重子、正三、と子、あすかが夕食をしている。

紅葉「みんな今日はお疲れ様。」
柳平「楽しかったんだって?ほりゃよかった良かった。」
あすか「お土産貰ったんだよ!!」
柳平「そうか、お姉ちゃんとお兄ちゃんのお土産食べたのかい?美味しかった?」
あすか「うんっ!!」
紅葉「と子はどう?小学校。」
と子「うん、楽しい!!」
八重子「そういえば、と子と麻衣たちは仲良し学級よね。」
紡「あぁ、しかもクラスは麻衣と仲良し学級だでさ、」
糸織「休み時間にはよく、遊びに来たりしてるよ。」
紅葉「そう、仲良くしてあげなさいね。」
三つ子「はいっ。」
正三「でも、姉貴は柳平家の名誉だよな…若葉に入学して。」

   八重子、赤くなって正三をこずく。

八重子「嫌ねぇ、今は私の話なんてどーだっていいでしょ!!」

   笑いながらわいわい。


小口家・台所

小口「え、ピアノとバレエをかい?」

   千里、戸惑いぎみに頷く。

小口「珠子、どう思う?」
珠子「私はいいと思うわ。せんちゃんが少しでもこの地で楽しく過ごせるように、好きなことやらしてあげましょうよ。せんちゃんだってまだ子供なんですもの。」 
小口「そうだね。よし千里。」

   頭を撫でる

小口「折角京都でやってたんだもんな。こっちでも頑張るか?」
千里「うんっ!!パパっ!!ママっ!!」

   小口にしかと抱き付く。

千里「ありがとう!!本当にありがとう!!大好き!!」
珠子「まぁまぁ…ウフフ…」
小口「じゃあ、教室を探さなくてはね。」
珠子「そうですね。」


   翌日から珠子、見つけては片端から電話を掛けている。

珠子「あ!」

   1つに目が止まる。

珠子「ここだわ!!」


名取芳江ピアノ教室
   麻衣がレッスンをしている。名取芳江が講師。

名取先生「はい、では麻衣ちゃん。今日はこの辺にしましょうね。」
珠子の声「こんにちはぁ!!」
名取先生「はーい、来たかな?」

   麻衣、帰りの準備をしている。

名取先生「どーぞ。」

   珠子、千里が入ってくる。

珠子「こんにちは、」

   麻衣に

珠子「こんにちは、」
麻衣「こんにちは。先生、新しい子?」
名取先生「そう、転校してきたらしいんだけどね。向こうでもピアノをやっていたから引き続きやりたいって。」
麻衣「へー…」

   微笑む。

麻衣「では、私はお先に。」
名取先生「はーい。」

   千里に微笑む。

麻衣「君も、また会えたら宜しくね。ほいじゃあな。」
千里「う、うん…」

   緊張ぎみ。 

名取先生「じゃあ千里くん、ちょっと弾いてみるか?今はどこまでピアノ進んでいるの?」
千里「はい…」

   恐る恐るピアノの椅子に座ってひきだす。名取先生、珠子に
驚いたように微笑む。

名取先生「かなり進んでいますね。ピアノは何歳から?」
珠子「えぇ、5つからやらせております。」
名取先生「そうですか。」

   珠子に色々な話をしながら、千里のレッスンを見ている。


小口まゆみバレエアカデミー
   麻衣が個人練習をしている。講師は小口まゆみ

小口先生「はい、宜しい。麻衣ちゃん、ここだけの話。あなたは今度の発表会ではヒロイン候補ね。」
麻衣「えぇ?」

   顔を赤くする。

小口先生「頑張ってね。では、またね。」
麻衣「はいっ!!ありがとうございました。」

   トゥシューズを脱いで退室。


   別の部屋で着替えると、教室を出ていく。入れ違いに千里と珠子。

   小口先生、千里、珠子で話をして、その後に千里が踊ってレッスンを開始する。


玉川運動公園
   麻衣、健司、磨子

健司「おっ!」
麻衣「はい健司、あんたにお土産。」
磨子「私からも。」
健司「やったぁ!ありがとう!!」
磨子「で?」

   健司は早速箱を開けて中身のお菓子を食べ出す。

磨子「あんた、長野旅行は?まだなの?」
健司「俺ら?俺らは…うん、未だ。何も聞いてないし。」
麻衣「ほう…」
磨子「行く時にはあんたも、お土産買って来なさいよ。私もあんたに買ったんだから。」
健司「何だよ!!お土産ってもんは気持ちだろ!!催促するもんじゃねぇーよ!!てか、」

   不機嫌そう。

健司「磨子、お前はほの為に俺にお土産買ってきたのかよ!!」
磨子「さぁーね。」

   悪戯っぽく。

健司「くっそぉ…こんなの食うんじゃなかった…」

   悔しそう。

麻衣「健司、気にせん気にせん。冗談でいっとるだで。」
健司「ちえっ。とりあえず、遊ぼうか?」
麻衣「ほーね!!」
磨子「何して?」
健司「ほーだなぁ…」

   三人、笑いながら自転車を漕いでいく。


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あきゅろす。
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