鎖
5
前期試験当日
1限目・国語
『・・・・・・』
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
なんだこれは。
B組の生徒たちは思った。
国語の教師・鳴海を見て。
解答用紙・問題用紙を目にして。
「毎年不正行為対策に心を痛めるのもアキアキなのですがー」
そんな前触れ前置きの後。
はい、テスト用紙後ろまで回ったかなー、で
前置きを終わらせたハデハデ服の教師は言った。
「やっぱり今年もテスト内容僕なりに趣向を凝らしてみました
みんな楽しんでかつ気に入ってもらえると嬉しいなー」
___________
国語
僕(鳴海先生)に対しての愛の手紙を書きなさい。
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また、条件が
○前期授業で習った漢字を5つ入れること
○150字以上、200字以内でまとめること
○擬人法、倒置法、接続語、体言止めのうち、どれか3つを使用すること
そして黒板には「制限時間45分!」の文字。
まともな条件ではあるが
語尾の【】で台無しかつ最悪な作文問題だ。
「はい では試験スタート!!」
甘ったるいハートマークが
後ろを飛び交うその男教師に
――気に入るかこのボケーーーーッ
生徒全員が
殺意を覚えたのはいうまでもない。
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