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「いくぞ」

「ぅん」










きりきりきり、鏑矢を番えた弓を引く陽一を

棗は後ろから支えてやる。



現在、後夜祭のオープニング。

真ん中の巨大なキャンプファイアーを点火するのだ。











ぐっと弓を上方に向け、指先を鏑矢の部分に向けた。

矢は、油を仕込んだ布が先に巻きつけてある。


ぼっ、と

マッチの火よりも大きいぐらいの炎がともり、

それを合図に弓が引かれる。









ぼうっ!


わああああーーーー









ひゅううー・・と弧を描いて飛んだ矢は、

見事にキャンプファイアーに火を移した。
















「ありがとう棗君、おかげで助かったよー」


「・・ふん」




委員長の言葉には振り向かず、

棗は祭壇を降りた。


























『はぁー・・』


「あっ いたいた」

「蜜柑ちゃん!」






初等部の

天使をモチーフにしたドレスを着た蜜柑達。

蛍は個人優秀者賞のティアラとステッキを所持している。







「おーかわいいのが集まってんな」


『三咲先輩』

「三咲先輩いろっぽーい」

「かわいいー」









「ああこれ?中等部は妖精の衣装だからなー

でもこれ踊りにくくってさー」




透けた布で出来た羽の付いたドレスは三咲が着ると

胸を強調しているように見える。

頭には花があしらわれている。





後ろから付いてきていた翼が苦笑混じりに言った。





「こいつ、去年のラストダンスのとき転んだんだぜ」


「なっ;あれは翼のリードが下手だからだろ」











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