鎖 17 「・・・ちゃん」 「・・・蜜柑ちゃん」 がばっ 蜜柑は、 自分を呼ぶ声を聞き、 弾かれたように文字通り 飛び起きた。 『ほ 蛍? ここ・・ あいたたたっ』 頭痛を感じ、 後頭部を反射的におさえた。 「大丈夫!?蜜柑ちゃん」 『え あれ 委員長? ルカ君・・?』 そこには包帯が巻かれていた。 『・・・』 「よかった・・」 「(ほっ・・・)」 消毒液のにおいがツンと鼻の奥をつく。 そのにおいで大体の状況が飲み込めてきた。 『・・ここ、病院? 蛍、私どの位寝てた?』 「丸2日。」 『え゛!? そんなに!? ・・・痛っ』 「騒ぐな。」 『・・・うう・・』 かなり強くぶつけていたらしい。 がんがんと音がする。 「事件は無事解決_________といっても 学園が現場に駆けつけたとき間一髪でレオ達にテレポートで 逃走されちゃったんだけどね 下っ端は捕まったんだけど」 ぱさ、と学園の新聞を広げたナルが話す。 「大変だったね蜜柑ちゃん」 『先生・・』 「にしてもなんで 下っ端達は気を失って倒れてたんだろ・・・?」 『・・・っ;;』 「蜜柑・・・あんたまさか」 「「「?」」」 ほかの男三人は頭の上に?マークが浮かんでいる。 『そ それより 棗君と正田さんは!?』 「あそこ」 蛍はすっとドアの方を指差した。 『あ 正田さん、なんでそんなとこで止まってるの?中に入ってきてよ』 「・・・っ分かったわよ」 つかつかと中に入ってきた。 『正田さん、怪我とか無い?』 「ないわよ」 『よかった・・ごめんね、あの時勝手に離れて。』 「・・私はあの後すぐに地元の警察に保護されたから別に・・・」 ごにょごにょ・・・ 最後までは聞いてなかったが。 「棗君の怒りの爆発のおかげで ちょうど現場に着いたばかりの僕らは 君らの正確な場所が分かって保護できたんだ」 『・・・棗君は?』 真剣な顔で言う。 「棗は大丈夫」 ルカが答えた。 『ルカ君・・』 「・・今は しばらくの間絶対安静が続くけど いずれ体調が戻れば心配はいらないって」 [*前へ][次へ#] |