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ほんの少しの時間とはいえ、

あんなに安心して眠っていたのはどれぐらいぶりだっただろう












「・・・お前何者だ・・・答えろ・・・・・・・」

『佐倉蜜柑だよ。』




もしかして忘れちゃった?

10分も経ってないのに?




・・・まあそんな事を聞いているんじゃないことぐらい分かってる。



そんな事を聞くために相手を拘束する必要なんて無いから。











「ふざけんな・・・っ」

・・・あれ?もしかして疲れてる?

声に少し力が無い気がする。

捕まれた右手から震えが伝わってくる。

それに少し熱っぽいし、汗ばんでいる。






まあそれも当然なのかな?

あんなにすごい力使って、しかも壁を飛び越えたんだし。

それにナルにはフェロモン使われて結構やばかったとこだったから・・・

気を失ったところで緊張が解けたのかな・・・

結構深く眠っていたし。






『ふざけてないよ?』

それより放してくれないかな・・・

横になった方がいいんじゃないの?

見ててかなり体調悪そうだよ





「・・・眠ってなんかいられるか・・・っ」

『・・・先輩の挑発が気に入らなかったんだっけ?』

少し呆れ気味になる。




「・・・・!」双眸を見開き、こちらを見た。

・・・やっと、目と目が合った。

さっきまでは、ドアの向こうや窓を気にしていたから。








『・・・言われたし分かってたんでしょ、あんなのが手紙の横流しなんかするわけ無いって。』


目をそらさせはしない。




『大体その先輩達、ナル先生に〔日向棗が脱走を計画しています〕って知らせてたんだよ?』


そのまま続ける。







『親友が大切なら・・・』








「だまれ・・・っ」


手首を握る力が強くなった。

両手首をつかまれ、床に押し付けられる。



・・・棗君、左利きなんだね。

今気づいたよ。




『だまったら私の正体って奴、話せないよ?』

「・・・!」


・・・話す気なんて、なかったんだけどね。











「それなら・・・」

話せ、





パリィィィン!!













語尾はかき消された。


ガラスの、割れる音に。













































































  
































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あきゅろす。
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