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〔棗〕








体が痛い



・・・寒い






なにかの気配がする









『・・君、棗君』






誰だ?






『・・・正田さん、棗君起きたよ』

「えっ///」









「キャー棗君よかったー!

一時はどうなるかと心配で心配で・・・(×10)」



『ちょ・・正田さん 声小さく小さくっ

 それと重いっ 乗っからないで』










いたのは

このところずっと思考を占領してる

相手が背を向けてねっころがっていた。

そしてその肩辺りからクラスのミーハー女一人。








こそこそ声で話してる。



・・ここはどこだ?

なんで縛られてる?







「・・・どうやらここって港の倉庫街っぽいの

潮のにおいするし・・」







斜め上を見ると、

レオが足を投げ出して見下ろしているのが分かった。










「直感で倉庫外の様子を探ろうとしたけど

なぜだか力が全然働かなくて


多分レオの仲間にアリスを封じる

「結界師」がいるんだと思うけど・・・


もしかするとこの倉庫全体に結界が・・・」








レオ・・

あの野郎か・・・










薬と体調のせいで絶不調・・・

結構なヘマ踏んだわけだ・・・






「アリスも使えないし

結界のせいで

学園がここを見つけられないとしたら

何とかここを脱出するしか・・・」








手首を縛っている縄を燃やすことは

出来ないかとしたが、

バチバチと音が鳴る程度だった。




























『・・出口は見たところ二つ。


片方は荷物でふさがれているから

使えるのは一つだけ。』







がちゃ、音を立てないように

慎重にイヤーマフラーをはずす。








『うまく外に出れても 棗君のその体調じゃ

どっちにしたって捕まるのがオチだし、

棗君が起きるのを待ってたんだよ。



・・・学園と連絡をとるの。』









カチ、頭でスイッチを押し、

なるべく2人にも音声が聞こえるように

ずらしてやる。









『・・・ほんとは こんな危ない真似する気はなかったんだけどね』




















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「・・・レオが反逆者だったとは;」


「これはうってかわってゆゆしき事態ですよ」





「・・・ということはこの事件 裏で
   Z
あの組織が糸を引いているってことに」









「・・・これは一刻の猶予もありませんな;」

















         Z
(レオが反体制組織の一員・・・)






鳴海は珍しくも

焦った、真剣な表情でものを考えていた。










「警察にも協力要請を」

「ハイ;」






(そうだとしたらあの3人は・・・)







と、そのとき


















パ〜ンダパンダ〜





それまでの張り詰めたシリアスな雰囲気をぶち壊す

随分と気の抜ける音楽が鳴った。













パンダのダンス〜・・スチャッ







「はいこちら蛍です

ああ 蜜柑?

あんたやっとスイッチ入れたわね」




ぎょっ、とルカが振り返る。















・・・








「;今井さんっ!?;;

連絡とれたの?!」


















「・・・

何か外野がうるさいからかわるわね


それよりアンタ大丈夫?」










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