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珊瑚
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マール川・・・レンガで固められた壁は崩れ、てっぺんから雪崩が起きたように斜めの断面が除いている。

砕け散った瓦礫や、壁がそのまま割れた破片が落ちていてものすごく危ない。

腐敗水の匂いが回り、近付きたくない。



「・・・ガス爆発か?」

「わからん。最近物騒だからな」



そのとき、軍人の一人がふと川に流れ落ちた瓦礫の一部に、なにかふらふらと流れるものを見た。

黄色い布だった。

もっというなら・・・黄色い、血のついた、破れた服だった。









「・・・傷の男≪スカー≫が着ていたものに、間違いないと思います」



ホークアイが、川から攫いあげたその服を持ち上げ、言った。

それには川の水にさらされていたというのに、べっとりとどす黒い血液が付いている。



「死体は出たか?」

「捜索はしてますが・・・」



マスタングの言葉に、ハボックは頭をかいていう。

これでは簡単ではないだろう。



「どの道、この出血では無事ではないでしょう」



ホークアイが、服から目を離していった。



「しかし、死亡を確認するまで油断は出来ん。・・・ハボック少尉」

「はい」

「お前の隊は、瓦礫の撤去を進めろ。昼も夜も休みは無しだ何としてでも奴の死体を引っ張り出せ」


「えぇーー・・・カンベンしてくださいよ俺たちを過労死させる気ですか」



うるさい、とマスタングの声が荒くなる。

血管マークが少なくとも1つ以上浮かんでいる。



「奴の死体を見るまで、私は落ち着いてデートも出来んのだ」

「あーそうですか」



やれやれ・・・とハボックは空を仰いだ。









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あきゅろす。
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