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「あ、知ってる顔発見」



船を漂わせ、そろそろ陸が恋しいなと思った矢先、燕はそれを見つけた。


海賊船。


マストではためく黒い旗は、麦わらをかぶったドクロマーク。








「・・・ねえ、なんか聞こえない?」



海の向こう。

船を囲っている手すりの下から、鈴の鳴るような声がした。



(ひさしぶり)




「え?誰が言ったの?」


「?」


「海のほうから・・聞こえたな」


「―――この声、」


「どうしたのルフィ」



バシャン。

小さな波の音がクルーの耳に届く。


日差しを浴びてきらきらと輝く海水の滴を纏った青年の姿は、ずいぶんと不思議な光景だった。

ばさりと髪を掻き揚げ、露わになった顔に備わった瞳がにこっと笑う。




「「燕――――――――――――ッ!!!!」」




音の途絶えた一瞬の間、

次にとびきり驚きと喜びの重なった声が船長とその兄貴から飛び出し、そしてそこから麦わらの姿と上半身裸男が消えた。


え!?と声を上げようとしたときには





「ひさしぶりルフィおおきくなったね、でも飛びつくのは頂けないなエースおまえもだ」



どしゃあっ!とこの中でも飛びぬけて元気のよい男二人が床にたたきつけれていた。

見ると、海から登場した青年が一度にひっくり返したらしい。




「成長した男の子に引っ付かれても誰も嬉しくないんだからね。分かったか。

――とくにエース。お前のその格好で抱擁を求められても拒絶以外の選択肢を取りたくない。求めた時点でセクハラの一歩手前だ」




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