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その他小説
嫉妬に濡れたB(×兼続+三成※R-12。未遂。酷い)
 ――兼続と三成がいなくなって半刻ばかり経った頃、空き地の前には真田幸村、島左近、前田慶次がいた。
 
「……ここに殿と兼続さんが?」
「はい。おそらく」
「確かに、最近出入りした跡があるねえ」
 
 二人がいない――それに気づいた三人は即座に捜索に入った。情報をかき集めれば、同じように尋ね回っていた人がいたというではないか。
 容姿を尋ねてみれば、それは三成だった。彼は兼続を捜していたらしい。そして空き家に辿り着き――行方不明となったのだ。
 不意に、
 
「……?」
「どうした? 幸村」
「いえ、何か音が……」
「音?」
 
 眉を潜める幸村を見て、左近と慶次が互いを見交わすと静かに耳を済ませた。
 
「……、……! ……!」
「…………っ、……!」
 
 よく聞こえないが、何か騒ぎが起きている事はよく分かる剣幕具合だった。
 それを耳にした瞬間、三人の体は動いてた。
 草を掻き分けて玄関まで走り、閉じられた戸を体当たりする勢いで破壊する。上背もあり体格もしっかりした男三人を阻むほど、丈夫ではなかった。
 あっさりと破られた扉の先――薄暗い空間で目にした光景に、三人は頭に血が上るのを感じた。
 
「三成殿! 兼続殿!」
「……き、むら……」
「ぅ……」
 
 中途半端に脱ぎ散らかされた衣服。男達に囲まれた二人の顔には白いモノがかかっていた。その正体に気づかないほど、鈍くはない。
 男達はさらにその“先”へ進もうとしていたのだろう。二人の下帯を外しにかかろうとしている最中だった。乱入者が来る事を想定していなかったのか、皆が皆、一様にして驚き固まっている。
 いち早く我に帰った男が「与介ッ!」と叫ぶ。
 兼続の頭にいた男の顔が憎々しいものに変わる。
 
「くそ・・・・・・ッ! 散れ!」
 
 与介の号令に、他の男達が慌てて立ち上がり、転げながらも反対側の戸口へと駆け出す。が、数人かは自分の衣服を整えようともたついている。
 
「させませんよ」
 
 冷たい声――次の瞬間、六人もの男が悲鳴をあげて床へと叩きつけられていた。
 左近と慶次である。
 
「殿に酷い事してくれた礼は……たんまりとさせてもらいますよ?」
「兼続にあんな事したんだ。覚悟はできてるかい?」
 
 八人中六人が一気に地に伏せられ、残りは与介と、その名を呼んだ男のみとなった。
 その二人はといえば、幸村によって成敗されていた。身近にあった紐を使って八人の男を縛り上げている。
 三成を左近が、兼続を慶次が保護する。
 
「殿、とりあえずこれで拭きましょう」
「ん……」
 
 左近が取り出した手ぬぐいで三成の顔についたソレを拭い、乱れた着衣を整える。肉体的にも精神的にも疲労しているのだろう、言葉一つ出る事はなく、ただ荒く呼吸を繰り返しているだけだった。
 兼続は三成よりひどい。彼は自分の口元を両手で押さえて蹲っていた。その隙間から、ぼたぼたと床へこぼれ落ちている……。
 
「兼続殿、ここに」
「……っ……」
 
 幸村から懐紙を受け取った兼続が、口内に含んでいたソレを吐き出す。途中でえづいたせいか、それとも先程まで行われていた行為のせいなのか、目の端には涙が浮かんでいた。
 
「……すまないな……幸村」
「いえ……」
「ほら、兼続」
「ああ。ありがとう……慶次」
 
 慶次が、兼続の首にぶら下がっていた手ぬぐいで彼の顔を拭う。その間、衣服は彼自身が整えていた。
 不意に、左近が幸村の隣へ三成を座らせた。不思議そうに見上げる彼に向かって左近はいつものように微笑する。
 
「いや、ちょっとばかし、殿を預かっててくれないか? できれば、外まで運んでくれるとありがたい」
「はい。私でよければ……しかし、何をなさるんですか?」
「少し……ね」
 
 その笑みは凄みがあり殺気を潜ませたものだった。つい、戦場にいる時のような緊張感が幸村を襲う。それほど、左近は怒りを内に滾[たぎ]らせているのだ。
 分からなくもない。幸村だって、大切な友をこんな目に合わせた男達を許せる事はできなかった。罰してやりたい。
 唇を噛む幸村の頭を、誰かの大きな手がポンと撫でた。
 
「幸村、兼続の方も頼まれてくれるかい?」
「慶次殿……」
 
 微笑まれ、幸村はうなだれるように頷きを返した。三成の手を自分の肩に回し、立ち上がらせる。
 
「……左近」
「っ、はい?」
 
 左近が振り返ると、三成は不意に口元を歪めた。いつもの、勝気で不敵な笑みだった。
 
「手加減はしなくていいぞ」
「……殿が言うなら、その通りにいたしましょう」
 
 幸村の視界の端で、縛り上げた男達が恐れおののいて「ひぃぃぃぃぃ」と悲鳴をあげてがたがた震えるのが見えた。
 自力でゆっくりと立ち上がる兼続に、慶次が「加減はどれくらいがいいかねぇ」とのんびりと訊いていた。
 兼続が苦笑する。
 
「さて、どうしたものかな……慶次、お前がしたいようにするといい」
「あいよ」
 
 慶次がパキリと指の骨の節を抜いた瞬間、男達が肩を跳ね上げてますます震え始めた。その震え方はいっそ哀れだ。
 仕方ない。幸村は肩を竦めた。この人達を敵に回したのが運のツキだろう。彼らを助けるほど、自分はお人好しのつもりはない。
 
「――では、外に行きましょうか」
「ああ。頼む、幸村」
「はい。三成殿」
「幸村、少しばかり腕を貸してくれないか」
「はい。どうぞ、兼続殿」
 
 三成に肩を、兼続に腕を貸してやりながら、幸村は二人の歩調に合わせて歩き出した。
 三人が屋敷の外へと出た事を確認すると――慶次と左近は、可哀想なほどに震える八人の男を見下ろす。無表情であるのがかえって凄みを増させている。
 
「この左近を怒らせるとどうなるか……教えてさしあげましょうかね」
「そりゃあいい。もう二度と悪さなんかできねぇだろうよ」
 
 ぎゃあああああああああ!
 
「「「!!?」」」
 
 ……外に出た三人がすさまじい悲鳴を聞いたのは、その直後であった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


あ と が き
 
…すみませんごめんなさい夢の中でこんな事が起きまして思わず文章に起こしてしまいましたごめんなさい!泣
年に一回は見る貴重な腐向け…内容はこれよりもっと酷くて深いです
なので精一杯マイルドにしてみました☆←
 
三部構成になるとか誰も想像してなかったよ!!泣
 

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あきゅろす。
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