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その他小説
本の虫(兼続+子飼い)
 いつものように三成と清正と正則が喧嘩(?)をしていると、ちょうど兼続がそこを通りかかった。
 手に、大量の本を抱えて。
 
「またか兼続ッ!」
「おわっ!?」
 
 唐突に三成から怒声が飛び、兼続の体が跳ね上がった。本の山まで軽く宙に舞う。
 なんとか本を抱え直し、
 
「……なんだ、三成か。どうした、そんなに大声を張り上げて」
「当たり前だッまた本をそんなに持ってきて……これで何回目だ!」
「いやー……何回目なのだろうなぁ……」
 
 あははははは、と相変わらずのはつらつとした笑い声をあげる兼続に、三成の深い深いため息が重なった。
 きりっとした三成の目が、兼続を貫かんとばかりに睨みつける。
 
「それに、また書写しているらしいな?」
「ああ。貴重な本ばかりでな、持ち帰りたくても持ち帰られないではないか。ならばせめてと写させてもらっているのだ」
「……今、どれくらいだ?」
「ん? ああ、今は七十冊程まで溜まったかな」
「「七十!?」」
 
 さすがに正則や清正も驚愕したらしい。三成と一斉にツッコミが入った。
 どこまで本を集める気だこいつは。そんな視線に気づいているのかいないのか、兼続はいつも通りに快活に笑っている。
 
「まだまだ興味のある本はあるぞ。私はまだ百冊程までしか集めていないしな」
「百冊あれば充分だろう!」
「さすが、戦に書物を持ち出す武将と言われるだけあるな……」
 
 三成が叫び、清正が感嘆している中、頭の後ろで手を組んでいた正則が兼続へ声をかけた。
 
「なぁなぁ」
「ん? なんだ?」
 
 首を傾げる兼続に、
 
「ガチな話、そんな本ばっか集めて何すんだぁ? 本なんて畑の肥やしにもなんねーじゃねーかよ」
 
 マジ意味わかんねー、と言う正則を、兼続は注意するでも叱るでもなく、ただ口元を綻ばせた。
 
「何。肥やしになるさ」
 
 と、自分のこめかみ辺りを人差し指でとんとんと叩き、
 
「頭のな」
 
 そして再び笑い声をあげて、兼続は三人の前を通り過ぎていった。それを、黙り込んでじっと見送る。
 
「……だってよ、正則」
「うぉぉぉぉ……なんだコレすっげー敗北感マジハンパねぇ……」
「そういえば、俺はあいつと口で勝った事なかったな……」
 
ちなみに――上杉家が宿所としている屋敷にある兼続の自室が本の山で埋もれかけている事を、三人は知らずにいる。
 





落ちなし山なし意味なし!(最低だ…)

ただ、史実でそんなエピソードがあるって聞いたんで、無双でやってみました
何故子飼いが出てきたのかは……なんとなくです!(笑)正則と清正の出番少ない上にいまだにキャラ掴みきれてないwごめんよw

史実でもそうだけど、兼続に口で勝てる奴なんてなかなかいないと思うんだ…


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