[携帯モード] [URL送信]



「あ、ちが…あの時は」
「何が違うだよ…関係ないんだろ??」

関係ない…なんて思ってない、あれはただ。
俺を、どうしようもないモヤモヤと胸を切り刻むような痛みが襲う。

プツン

俺の限界をとうこえていた何かが切れたような音がする。気がついたら、また叫んでた。

「関係なくない!!」

いきなり大声にビックリしたみたいの涼は、目を丸くしてコッチを見ている。

「全然関係なくない!何年一緒にいたと思ってる!?嫌いなやつと一緒にいれるわけないだろ?俺は涼が…」

俺の口は止まってくれなかった。

「好きなんだよ!好きでたまんないんだよ!!…関係ないなんて、言うな。」

俺の目からボロボロと涙がこぼれ始めたのが分った。もうダメだ。
そう分った瞬間なにもかもが崩れ去るような気がした。

「…ゴメン、男にこんなこと言われても、キモいだけだよな。ゴメン、これだけだから…。よ、用事あるんっ、だろ?てま、とらせた。じゃぁ…いくから…ごめん」

この場から、すぐに逃げたかった。終わったんだ全部、せめて最後はこんなみっともない姿を涼にみられたくなかった。
足を一歩、ふみだそうとした。

「待って!」
涼の焦った声が聞こえて、すぐに腕をつかまれる。いきなりすぎてバランスをくずした俺の体は、後ろへと傾いた。

ポスンッ 

はずだった。俺の体は涼の胸元にあたって、支えられるように抱きこまれた。

「え…あ、え?」

突然のことすぎて俺はあたふたと動揺しまくる。

「悠介…」
「!?」

耳元から届いた声にドキッと心臓がハネる。“悠介”って言ってた。“坂木”じゃない。状況に頭がついてこない、どうなってる?涼は俺のそばにいる気はないっていった。ならば、なぜ…?

「悠介…」

なんで、嫌いな奴の名前をそんなに…

「悠介、さっきの本当…?」

優しく呼ぶのだろうか…これって、どういう意味?

「ねぇ、聞いていい?悠介の好きって…“LIKE”それとも“LOVE”?」

顔に熱が集まっていく気がした。涼に触れてるところからジワジワと温まっていく。

「悠介」

暮れ始めた空。
静かで静かで、さわさわ木の葉が風にゆれる音だけ。公園の時計は6時をまわる。自分の心臓だけが騒がしい。
これは…期待だ。

「……………  …らぶ」
「良かった。」

ストンと涼の頭が俺の肩におちる。あたたかい体温がジワッて伝わってくる。

「ゴメン、言い訳させて…。」

いつも余裕綽々の涼は頼りなさげに囁いた。 
 

[*前へ][次へ#]

9/14ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!