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プロローグ


『私立花咲高等学校受験管理室ですが…』



俺の人生は、受話器ごしに聞こえてきた単調なその挨拶から大きく変わった。



ことの始まりは…さかのぼること一カ月程前。
2月半ばあたりからである。
その時、中学三年生の俺は
右手にケータイ、左手にチュッパチャプス。テキストは棚の奥深くで冬眠中…といった非常によろしくない受験生だった。
そして口癖は専ら

「めんどくさい」

自慢じゃないけど、俺は特別頭が良いわけでも
運動がずば抜けてできるわけでもない…よって
そんな状態で出された結果は、受験失敗という『不合格』


いや、当たり前だとは思うけど…やりたくなかったし…


そんなこんなで、ある日の夕食時。『俺の今後どうしようか会議』が行われていた。
重く張り詰めた空気、両親による壮絶な追い詰めに俺のハートがブレイクしかけた時
暗い雰囲気の中
軽快な音を響かせた近代的な通信機
機会ごしに食卓の重い空気を吹き飛ばす魔法の呪文が聞こえてくる…それが、冒頭に戻ってあの挨拶なわけである。





『今年合格者が募集人数に達さなかったので、追加合格という形になりますが…』


丁寧によろしいですか?と聞かれ俺は、二つ返事で大丈夫と答える。


「全然よろしいです!是非」


そうして、俺の新しい生活がめでたくスタートしたのだ。

[行くか#]

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あきゅろす。
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