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新生活







突然ですが入学式です。

主人公こと桜木 春(サクラギ シュン)はお気に入り(癖と化してる)のチュッパ(ラムネ味)を口に加えながら、大きな門構えの校舎を見上げた。

私立花咲高等学校と深く刻まれた塀に桜の花をモチーフにした厳つい校章のそびえる門。
サイズは無駄に出かく、いかにも『金かかってます』と言ったところだ。
門から校舎は、やっぱり金持ちらしく距離のあるもので
面倒臭さがりの桜木にとって煩わしいものでしかみえなかった。
それもこれも、こんな学校にかようハメになったのは自分が怠けてたからなので文句は言えない。
桜木は、ハァと小さく溜息をついて歩きだす。


「だるい。遠い。無駄。…引きこもりたかったなぁ」


文句は言えないが、やはり愚痴は言いたい。
人間だもの。


今日の予定は、まず体育館に集合して入学式を終えたのち、教室に行くのだが。
俺の場合少し違う。
花咲校は、小中高の一貫性のエスカレーターお坊ちゃま学校だ。いかにも某ホモストーリーにありがちな設定である。ツッコミはしちゃいけないと思ってる。
加えて全寮制度ときた。
この調子だと生徒会、風紀委員うんぬんまで、あるんじゃないかと踏んでる。
なんで、こんな事知ってるかというと
別に腐男子な訳じゃない、俺が世間一般で言うヲタク的なアレだからだ…
掲示板に言ってたりするとチラホラ耳にする。
BLは否定する気もないけど、興味がある訳でもない。言うならば空気みたいな存在だ。
そんなこんなで話はずれたけど、俺はいわゆる転入生だから面倒だけど一回職員室に行くしかない。
持ち上がりが多い、この学校で空きがあることは珍しい。
俺は運がよかった、うん。がんばったな俺。


俺は、一人悶々考えながら悲しき男たちの渦に巻き込まれるように体育館の入り口をくぐった。
見かけない俺の顔にコソコソと耳打ちする生徒が見える。が!もちろん総無視。
慌てるわけでも、怯えるわけでもない。
指定された席へと平然とした顔でついた。
体育館ひろいな〜


「なぁ、」

[*帰ろう]

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