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その執事 薔薇
この小説は黒執事Vのネタバレを含みます

と、言いますか…
黒執事Vを読まなければ分かりません…はい
10話〜13話をキチンとお読みの上ご覧頂けると有り難いです
読んで来たぞ!!!と言って小説見て「幻滅した」とか言われても困りますんで…
つか絶対なる気もしますが
攻めないで下さい
簡単にくじけちゃうんで

でわ、長々スミマセン
本編はスクロールしてください↓







嫌いになった訳じゃない
嫌いになる訳がない
怖かっただけなんだ…

でも、頼りたくなかった
弱い自分が嫌いだから




[その執事、薔薇]


赤い紅いリコリスの情熱

毒々しく深く滲む薔薇の血

宙を舞うコントラスト



死期を迎え閉じる瞳には赤い髪が美しく演出する

マダム・レッドことアンジェリーナ…つまり僕の「「アン叔母さん」」
赤い紅いリコリスが似合う人



彼女の死に
僕が泣かなかったのは

悲しくない訳がない
泣けない訳じゃない
泣きたくない訳じゃない

「弱い自分を見せたくないんだ

セバスチャン…」
(お前にも…)
僕は、言いかけたソレを飲み込んだ
でもセバスチャンは、察さしたかの様に笑みを僕に向けた
でも笑みとは、裏腹にセバスチャンは何処か不機嫌だった

「…坊ちゃん」

「何だ…??」

「失礼ですが、坊ちゃんは、もう少し御自分の身体を大切になれた方が宜しいかと…
それは、精神的な意でも」

彼は全て知ってる
僕の全て

「私は、あくまで…執事です。辛い時は」

頼って下さい…
優しい声で、薔薇色の瞳のこの男はそう続けた。
アン叔母さんのリコリスと違った鋭い薔薇色は
酷く荒れていて、しかし
それでいて心地よかった


「セバスチャン…

今日だけ…今日だけだから」

少し甘えさせて

「御意」

手にとったセバスチャンはアン叔母さんと違って暖かくは、けして無かったけど…
アン叔母さんと、何か共通な優しさを感じた


僕は…
そこで彼を好きと思ったのか、と
柄にもない事を心に呟いた


「…夕食が少し遅れてしまいますね…」

セバスチャンは特に困った事の様では、無さそうに呟いて
僕の頭を撫でてくれた

「今は、主の執事では無く、シエル・ファントムハイヴの一人の者(男)として」


夕暮れのLondonは、穏やかに雲を揺らした





赤い紅いリコリスの情熱と毒々しく深く滲む薔薇

同じであって異なる赤


どちらも酷く不安定で
それでいて美しいのだ






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