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その執事 契約
美しいLondonの街は、大雨で、黒い雨雲に包まれていた

そんな日に母と父が世を去った


**その執事 契約**



両親が死んだのは、2週間程前の事だ
そして、毎晩の用に顔さえ知らない親戚達が集まり始めたのは両親が僕の前から消えた2日後の事

別に興味が無かった訳でなく本能的に親戚達(彼ら)の話を聞いてはダメだと思っていた

けど
その日は、あの日の様にLondonは大雨で雨雲におおわれた街と化していた
僕は床についても眠れずに、毎日見えたはずのカーテン越しの月の光すら感じられず不安になった

使用人を呼んでも良かったが時計の針がさす時刻を見て思い止まる

仕方なしに、僕はベッドを下り部屋を出た
気分転換とも言えよう
しかし今となれば、あのままシーツにくるまっていれば良かったと思う


『僕が引き取るよ』
『どうせ、遺産目当てでしょう??』
『なっ!!?貴様こそ、そうなのだろう!!!』
『失礼ね!!』
『2人で会話を進めないで頂けるかしら、あの子は私が…!!』

遺産狙いの話あい
不安とともに恐怖に教われた。上辺だけの愛情に手が震えるように、



「いけませんよ…お坊ちゃん。」

突然の声
手袋越しの冷たい手が僕の耳を塞ぐように、優しく触れた

「セバスチャン…」

振り返ると、何度も見た執事のすましたように笑った顔
手の震えが収まったのが分かった

「聞いてはいけませんよ…坊ちゃん。」

セバスチャンは再度僕にそう告げた

「さぁ……ココは冷えます。戻りましょう」

僕はセバスチャンの何時もとは少し違う(寝巻きだろうか)黒の長袖の裾を、弱く掴んだ

自室は、廊下より温かく少し冷えた僕の体を温めた
また床についた僕はさっき以上に眠れずにいた

「眠れないのですか??」

セバスチャンの問いにも何も答えなかった
上を向きベッドの天井を眺めていたら、ふと気になった

「セバスチャン……」

「はい、何でしょう」

「お前は、何時まで僕のそばにいる……??」

珍しくキョトンと抜けた顔をするセバスチャン
僕は自分で聞いたもの、永遠じゃない未来を聞くような気持ちに不安になった

暫くの間にセバスチャンはこう答えた

「「主(あなた)が望むなら、何時までも…」」

「「契約の元、主(あなた)の命は絶対です」」

彼は人間ではなかった
彼は悪魔で執事であった
僕は、悪魔で執事のかれと禁断の契約を結んだ

彼は僕の、忠実なる下部
けして僕を、一人にしてはならない

「セバスチャン」

「はい」


「僕のそばにいろ…永遠にだ!!!」

「イエス、マイロード」

「絶対、一人にするな」

「分かってます」

あぁ、こんな形でしか素直になれない僕をお前がどう見るのだろうか
ただ、一人という孤独にまだ、耐えられない僕を

「僕はファントムハイヴ家の当主だ。誰の所にもいかない」

僕には家族なんていらない

(「セバスチャン…お前だけで十分だ…」)

あしたは晴れて虹が見えると良い
そう願った


<セバスチャンside>

主が眠った後、静かにその場を去った

坊ちゃんは、何時もは強気だか、たまにあのようになる



「(おもしろい御方だ)」

坊ちゃんは、私を永遠に必要しており、私も坊ちゃんを必要としている
これ以上ない好都合な設定、舞台。

私は悪魔で執事

何時までも


坊ちゃんが望むなら永遠におそばにいましょう


さぁ今夜は、もう遅い

私も部屋に戻らせて頂きます
お読みになられてる御嬢様。どうか、お気をつけてお戻り下さい。
お迷いになられたら、このベルを鳴らして下さい。どこにいても、駆けつけましょう
私は悪魔で執事ですから


では、
失礼いたします


Shiー…


バタンッ

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あきゅろす。
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