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後悔の戦争−壱(銀時受注意)
早朝…―。
廊下に足音が聞こえた。
「ヅラァ!!金時の様子はどうぜよ?」
足音の主・辰馬は、一室の襖を開け、部屋の中にいた桂に問うた。
「ヅラじゃない!桂だ!……ずっとあの調子だ…」
桂は間違えられた自分の名前を訂正し、部屋の奥に目線をずらしてため息混じりに言った。
彼の目線の先には透き通る様な銀髪を揺らして窓の外を眺める男がいた。
「銀時…!」
桂は彼の名を呼ぶ
しかし、返事はない。
ただ・窓の外を眺めているだけだ
自分の事を見ない銀時に辰馬は少し苛立ちをおぼえる
「しかたない……」
隣から諦めた様な声が届いた
「昨晩あんな事があったのだから……」
桂は続けるようにそう言った。

昨晩の事だった…―


譲位志士達は天人による突然の襲撃を受けたのだ。
多くの仲間の命
そして、
高杉の片目を失った…


銀時は誰よりも仲間を大切にしていた。


普段は死んだ魚の様な目をしているが、彼の思いは真直ぐな刀のように鋭くそして強い。
でも刀が、その思いが折れてしまったとしたら?
不安定なその心。
彼は誰よりも強くあれば、誰よりも弱くあった

辰馬は理解していた。
銀時が一番悲しんでいることを…
それでも何処かで違う誰かを思う彼に嫉妬していた

最低な人間ぜよ…


「ヅラァ…二人にさせてもらえんか?」
辰馬はそっと桂に耳打ちした
「ヅラじゃない…桂だ…」
桂は小さくそう言って部屋を後にする
きっと辰馬のまとういつもと違う空気に気づいたのだろう。

「銀時。」
「……」
自分の言葉が通じないのか?
そう思うほど銀時の耳には辰馬の声は入らなかった
「銀時!!」
今度は少し強い口調。
やっと彼はこっちを向いた…

生気を失った様な瞳…

何時もの死んだ魚のような目と違う
人形みたいに生気が感じられないのだ…

何かが吹っ切れる音がした

もう次の瞬間に辰馬は銀時の胸元をつかんでいた
「いい加減にするぜよ!!!これが戦争なんだよ!!」
気づくと怒鳴っていた。
己の瞳から冷たい雫が伝うが感じる
「あきらめろよ!!!」
そう言い終えた辰馬
銀時の体は小さく震えていた
辰馬のいきなりの声に驚いたのか?
それは違った

「…くしょう…」

声が微かに聞こえた
「ちくしょう!!」
見ると彼は涙を流していた
細く白い手は辰馬の服を掴んで…
「銀時……。」
今の辰馬には、目の前で涙流す銀時が小さく見えた
「辰馬ぁ…」
名前を呼ばれいてもたってもいられず

そっと彼を抱きしめた。



今じゃ、銀時受けなんて書かないから
だいぶレア…
なんか気持ち悪い…

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あきゅろす。
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