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参万打感謝小説(セバシエ)
「雪って何ですか??」

Londonに雪が降った冬の日、疑問符をつけて奴が言った言葉だ。

〜snow love〜

セバスチャンは人間ではない。悪魔であって僕の執事。
彼が僕の所に来て初めての冬。朝から寒い日に、ふとカーテンを開けると天から白いものが降ってきて、それを見て僕は"雪か…"とそんなに珍しくなさそうに呟いたら、セバスチャンが「雪…て何ですか??」と言い出したのだ。
見たことないのか、と問うと困ったように"はい"と答えた。人間界に来て一回も見たことないとは可笑しいと思ったけど
私がいた所は、降ってなかったと言ったから一応しぶしぶ納得した。
セバスチャンにも分からないことが有るのだとは意外だ…。
奴があまりに子供みたいな目で窓の外を眺めているものだから、なんだか僕も嬉しくなって"外へ行こう"と誘った。



「綺麗なものですね。私の世界には無いものだ。」

セバスチャンは手を上にかざして言った。彼の手に白い雪が消えていく。
「この世界には美しいものが沢山ある。」
「珍しいな…セバスチャン。お前がそんな事言うなんて」
「そうですか??…でも本当にそう思ってます…」
セバスチャンはそれっきり黙ってしまった。
そろそろ寒いのだが、第一僕はつまらない。
見慣れてる雪などは綺麗と思ってもセバスチャン程の興味は沸いてこないのだ。
やることもなく何か面白いものがないものかとキョロキョロしていると、黙っていたセバスチャンが口を開く
「坊ちゃん…この世界は本当に美しいー」
「どうした急に」
「いいえ…何でも。それと坊ちゃん。貴方も美しいモノの中に入ってるのですよ。」
振り返って意味ありげな笑みを向けられ顔が赤くなるのを感じた。
「さぁ、坊ちゃん…。もう寒いですから、館へ戻りましょう。」
彼の手が僕に差し出されて、僕はその手を受け取り照れ隠しに「お前のせいで、冷えた(体が)」と悪態をつくと、セバスチャンは
「では、温かいスープを用意しましょう。」
と雪より綺麗な顔で笑ったのを覚えてる…


寒い冬の日のLondon…


今日も雪が降らないか
と願う
あの笑顔をもう一度




**END**

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