【34/メールは苦手】
『ハレルヤのメールは淡白過ぎ。怒ってんのかと思ったぜ』
授業中、隣のクラスのライルからメールが着た。俺は眉をぴくりと吊り上げ、クソライルの顔を思い浮かべながら携帯を打つ。
『ライルみたいな絵文字だらけのメールが俺に打てるか』
『絵文字の一つや二つ使えよ!だから女に怖がられんだよ』
最後にはニコニコマークの忌々しい絵文字付きだ。大きなお世話だクソライル。
『でも似合わない』
『でもハレルヤの顔が浮かびやすくなる』
またニコニコマーク。笑っているライルが脳裏に描かれる。
俺は教師の数式を述べる声をBGMに、天井を仰いで十数秒考えた。
そしてあまり使わない絵文字の欄を表示し、ライルと同じニコニコマークを、一つだけ送信してみた。
『もしかして怒った?すまん』
眉を下げた絵文字と共に届いたその文面に、俺はたまらず引きつった笑みを浮かべる。死ねクソライル。
これだからメールは苦手だ。
どうしようもなく、重い溜め息が洩れた。
(090610)
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