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ヘンゼルとグレーテル。2


上等な物をヘンゼルに出して居たので、グレーテルもお婆さんも大した食事にありつけなかったのです。
お婆さんの事はどうでもいいが、いよいよ自分が何とかしなければと思い、ヘンゼルはその日の夜にお婆さんを呼び出しました。


「おいカス、もっとうまい肉を狩ってきやがれ。新鮮で、うまいやつだ」
「ハッ!行って参ります!!」

お婆さんは早速と、美味しい肉を求めて狩りへと出掛けて行きました。お婆さんが居なくなったので、グレーテルはヘンゼルに会いに行きます。
いつもは配膳の時間しか会わせて貰えなかったからです。

「どーしたんだぁ?ばーさん、すげえ勢いで出てったぞお」
「グレーテル、此処には剣とかねーのか」
「あるぜぇ!オレ、それで薪割りも出来るようになったんだぁ!!」
「斧じゃなくてか」
「おうっ」

「…………」

グレーテルの意外な特技も明らかになった所でヘンゼルは、その刃物を持ってくるように伝えました。言い付け通りに剣を持って来たグレーテルはそれを一振りして見せます。なかなかの腕前のようです。

「カス、この格子を叩っ斬れ」
「わかった!」

格子からヘンゼルが離れたのを確認すると、グレーテルは渾身の一撃を放って鉄格子を破壊しました。見事な太刀筋によりガチャンと音を立てながら斬られた格子は床へ崩れました。
ヘンゼルは直ぐ様、中から出てグレーテルを抱き締めました。


「よくやった」
「ヘンゼル!ヘンゼルっ……こうして抱き合うのも久しぶりだな」
「1人寝が寂しかったんだろう?」
「寂しかった、オレ……ヘンゼルと一緒が好きだぁ!!」

「知ってる」

首へとしがみ着きながら気持ちを伝えてくるグレーテルの痩せた身体を一層強く抱き締めて、二人は互いの気持ちを確かめ合いました。ともすれば次に何があるかは決まりきった事でした。

「ん゛ぁっ、アッ、……ンゼル、ヘンゼル……」
「今日は随分いいな」
「好きだぁ……ああっ、は、――う゛ぁあっ、ヘンゼル!」

「愛してる、」

グレーテルは夢中になってヘンゼルを呼び、ヘンゼルはそんなグレーテルに応えてあげます。日が落ちても二人が離れる気配はちっともありはしませんでした。幾度も求め合い、互いの全てを確かめ合いました。




それから二人はお婆さん不在の小屋で細々と慎ましく暮らしました。食料が無くなったら二人で狩りに出たり木の実を集めたり、泉では水を汲みました。その後もお婆さんが帰って来る事はありませんでしたし、二人がお父さん達が住む小屋に戻る事もありませんでした。

「これからも、ずっと一緒に居よぉーなあ!ヘンゼル!!」
「ああ」

その後も嫉妬深く、意地悪なお婆さんは行方知れずでした。お婆さんのその後を知る者は誰も居ません。
忘れられているかもしれませんが二人のお父さんとお母さんも、それなりに幸せに暮らして居ました。お父さんは溺愛していた娘を失い、その上お母さんに毎日虐められながらも、めげずに頑張って居たそうです。




こうして二人の兄弟は、貧しいながらも末永く幸せに暮らしましたとさ。


-END-





原作と全く話が違います。(笑)最終的にハッピーエンドがよかったのでレヴィお婆さんは釜戸で死なないし、恭弥お母さんも死にません。死亡フラグ回避に相当骨が折れました。
そしてこのザンスクは一体いくつ何だろうか……犯罪臭いのでお好みで脳内修正をお願いします。

とりあえず、イチャつき過ぎです。

――2010.02.09.

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あきゅろす。
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