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「こうなりゃ自棄だ!呑め!野郎共ーーッ!!!」



「「「おーーっ!!」」」




元親の合図で、宴会は始まった。

鍋を囲っていた六人は魚を鍋に注ぎ込み、長曾我部軍の男達は乾杯し合い、座敷中が騒がしくなる。





「政宗、野菜は持って来ただろうな?」



「of course,小十郎の特製だ。美味ぇぜこりゃあ。」



「マジか!?俺小十郎さんの野菜好きなんだよな〜。」





はしゃぐ慶次の目の前で、野菜も鍋に放り込まれる。

それが煮えるのを待つこともなく、その周りでは呑んで歌えの大騒ぎが繰り広げるられていた。

ちなみに、その、と言うのは、座敷の中心で鍋を囲む六人のことである。

慶次は一緒に騒ぎたいのか、どこかウズウズしていたが。





「こりゃ年末のうちといい勝負だね……。」



「なんだ?虎のおっさんのとこでも宴会やるのか?」



「それもあるけど、うちの場合殴り愛がはじまるからさ、これがまた愃ましいのなんのって。」



「そんなことはないぞ佐助!そこまで言うのならばお主も全力でぶつかってみればよいのだ。さすれば」



「それできるのなんて幸村くらいだって;」



「だろー?」



「慶次殿ぉお〜〜ッ!!;」



((同感だな……))





無念と言わんばかりに喚きだす幸村を横目に見ながら、眼帯二人組は武田軍のようすを思い浮かべてため息をつく。

濃い軍隊だと思ったようだが、二人とも、自分の軍が十二分に濃いことには気づいていない。

佐助は幸村をなだめ、慶次は苦笑いを浮かべながらそれを見つめていた。

そんな中、





「慶次……酌をせよ。」



「珍しいね、元就が飲むなんて。」



「そうでもしなければこの騒がしさについてゆけぬ。」





さりげなく、しかしちゃっかりっ慶次の横に陣取っていた元就が、慶次に向かって猪口を差し出す。

しかし、それを他の面々が黙って見ているわけもなく、





「Oh, 毛利…随分と調子がいいじゃねぇか。」



「フン……」



「自分だけ楽しもうとするたぁ頂けねぇな……慶次!俺もだ!!」



「ハイハ」



「慶ちゃん、俺様も頼むよ?」



「え……」



「テメェ猿……what a nerve!慶次、俺が先だ!」



「ちょっ、」



「けっ、慶次殿ッ!某もお頼み申す!!」





いつの間にか、慶次の目の前には五つの猪口が一斉に差し出され、酒が注がれるのを待ちわびている。

さすがの慶次も、これには少したじろいだ。





「ちょっと待てよ;阿修羅じゃないんだから一遍には無理だって!;」





どう足掻こうと、人間の腕は二本なのである。





「だそうだ……下がれ、愚民共。」



「おっと、そう簡単にゃあ引き下がれねぇな。だいたいこの宴を催したのは俺達だぜ?」



「That right. 俺達が先に頂くのが筋ってもんだろ。」



「しかし、下衆徒はもてなすものだと政宗殿が以前おっしゃって!」



「旦那、ゲストね、ゲスト。」













「あ゙ーもうっ!!拉致あかないだろ!?言い出したやつから順番!な!?」





いよいよ怒鳴りだした慶次に、五人は大人しく頷いた。

鍋の具は既に、煮えつつあった。







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あきゅろす。
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